2025年9月、カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」巡礼9日目。
この日はナヘラ(Nájera)からアゾフラ(Azofra)まで約5.5kmを歩きました。
毎日20km以上歩く日が続いていたため、この日は歩く距離を大幅に減らし、体を休めることを優先した「休養日」です。
一日の歩行距離はわずか約5.5km。それでも、日本人女性が買った一玉のスイカをきっかけに、アルベルゲでは多くの巡礼者との交流が生まれました。
前日にログローニョからナヘラまで歩いた様子は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カミーノ フランス人の道 8日目|ログローニョからナヘラへ|みんなで自炊した夜カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」8日目の体験記です。ログローニョからナヘラまで約30kmを歩き、ナバレッテの教会や巡礼仲間との再会、アルベルゲでの自炊と交流を紹介します。
巡礼9日目のルート・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発地 | ナヘラ(Nájera) |
| 到着地・宿泊地 | アゾフラ(Azofra) |
| 距離 | 約5.5km ※カミーノアプリ「Camino Ninja」より |
| 歩行時間 | 約1時間 |
| 天候 | 晴れ |
| 宿泊施設 | Albergue de Peregrinos Municipal de Azofra |
ウォーキングアプリの記録です。

この日の体調
足のまめは残っていましたが、痛みはかなり引いていました。
9日目のポイント
朝はゆっくりナヘラで過ごす
この日は急いで出発する必要がなかったため、朝をゆっくり過ごしました。
ルーカスとリンは、この日サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダ(Santo Domingo de la Calzada)まで歩く予定だったため、先に出発します。
翌日はグラニョン(Grañón)の寄付制アルベルゲで再会する約束をしていたので、「また明日ね」と笑顔で見送りました。
二人を見送った後も、チェックアウト時間の8時まではアルベルゲでのんびり過ごしました。
アルベルゲを出る直前、モンベルの男性用と女性用の靴下が干したまま忘れられていることに気付き、他の巡礼者が持ち主を探していました。

モンベルの靴下だったこともあり、前日に出会った日本人ご夫婦のものかもしれないと思いました。
「またどこかで会えると思うので、私が預かります。」
そう伝えて靴下を受け取りました。
カミーノでは、同じ巡礼者と何度も再会することがよくあります。
だからこそ、「きっとまた会える」という気持ちで自然と預かることができました。
一人の時間を楽しみながらアゾフラへ向かう
アルベルゲを出る前、前夜に一緒に食事した日本人女性から「昨日はありがとう」とクッキーをいただきました。
近くの川沿いにあるベンチへ行き、クッキーを食べながらしばらくぼんやり過ごします。
これまで毎日のように誰かと一緒に歩き、一緒に食事をし、一緒に笑っていました。
急に一人になると、少しだけ寂しさを感じます。
ベンチに座りながら、「今日はなにをしよう」と、考えていました。
当初はナヘラにもう一泊するつもりでした。
しかし、翌日の宿泊先が見つからない可能性があり、さらに翌日はナヘラからグラニョンまで歩く予定でした。そこで、少しでも先へ進んでおくことにしました。
10時半頃にナヘラを出発。
途中では熟れたブドウを見つけ、秋の訪れを感じながら歩きました。

この日は出発が遅かったこともあり、道中ではほとんど巡礼者に会いませんでした。
誰とも話さず、一人で歩く時間。
それもまた、いつもとは違うカミーノの楽しみ方でした。
そして11時半前にはアゾフラへ到着。
5.5kmほどの距離でしたが、「もう着いたの?」と思うほどあっという間でした。
カミーノを始めた頃なら5kmでも長く感じていたのに、毎日20km以上歩いているうちに、5km程度ではほとんど歩いた気がしなくなっている自分に驚きました。
アゾフラのアルベルゲで日本人巡礼者と再会
この日は休養日と決めていたので、そのままアゾフラにある公営アルベルゲ「Albergue de Peregrinos Municipal de Azofra」へ向かいました。

まだチェックイン開始前でしたが、中庭には前日に一緒だった日本人女性が受付開始を待っていました。
話を聞くと、年齢や体力を考えて、一日の距離を短めに設定しながら歩いているそうです。
しばらくすると、モンベルのウェアを着たアジア人女性がやって来ました。
「もしかして日本人ですか?」
そう声を掛けると、やはり日本人でした。
自然と3人で自己紹介をし、お互いの巡礼について話が弾みます。
二人とも、NHKで放送されたカミーノ・デ・サンティアゴの番組を見て興味を持ち、巡礼を決意したそうです。
話を聞くと、お二人とも70歳前後。
サンティアゴまで歩く予定で、長距離の日は20km以下になるように調整したり、どうしても歩くのが大変な時は、公共交通機関を利用したりしながら、自分のペースで巡礼を続けているとのことでした。
無理をせず、自分に合った歩き方を選びながら巡礼を続けている姿が、とても印象に残りました。
しばらくすると、「準備ができたからどうぞ」と予定より早くチェックインさせてもらえました。

ほぼ一番乗りでチェックインできたのは、この旅で初めてです。
部屋は2人部屋で、シングルベッドに荷物置き場もしっかりあり、とても快適そうでした。
早めにシャワーを浴び、洗濯も済ませることができ、ゆったりとした時間を過ごせました。
寄付制アルベルゲや公営アルベルゲについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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パスタ作りとスイカで盛り上がったアルベルゲ
午後は日本人女性の一人と軽くアゾフラの街を散策しました。

アゾフラは小さな町で、私たちは20分ほど散策すると、主な場所を歩いて回ることができました。


散策の後、街で見つけた小さな商店でポテトチップスとビールを買い、アルベルゲの中庭でのんびり休憩します。

アルベルゲにはプールもあり、泳いだり日光浴を楽しんだりしている巡礼者もいました。
夕食は、アルベルゲの広いキッチンを使って、日本人女性2人と一緒にパスタを作ることにしました。
商店は、シエスタのため14~17時まで閉まっていて、17時以降に再び商店へ買い物へ行くと、大きなスイカが一玉置かれていました。
すると、日本人女性のお一人が、
「私が一玉買うから、アルベルゲのみんなに食べてもらおう。」
と言いました。
スイカを一玉丸ごと買う人は珍しかったようで、店員さんになかなか伝わらず、身振り手振りを交えながら何とか購入できました。
夕食のパスタを作って食べ終えた後、十分に冷えたスイカを切り分け、中庭でくつろいでいる巡礼者たちへ配ります。
すると、
「最高だよ!」
「ありがとう!」
「あなたの名前は?」
と、あちこちから歓声が上がりました。
一玉のスイカがきっかけで、中庭全体が一気に明るい雰囲気になったのです。
国籍も年齢も関係なく、みんなが笑顔でスイカを食べている光景は、とても温かいものでした。

カミーノでの食事事情は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カミーノ・デ・サンティアゴの食事事情|自炊・食費・名物を紹介カミーノ・デ・サンティアゴの食事事情を実体験から紹介。朝食・昼食・夕食の内容、自炊、携帯食、スーパー、巡礼メニュー、スペインの名物料理まで詳しく解説します。
遅れて到着したイーサンとの再会
みんなでスイカを食べていると、見覚えのある男性がアルベルゲへ入ってきました。
エステージャで出会い、その後もログローニョや巡礼中に何度か顔を合わせていたアメリカ人のイーサンです。
「これは僕のためのスイカ?」
そう冗談を言いながらやって来ました。
すでに19時30分頃。
どうしてこんなに遅いのか尋ねると、思わぬ出来事があったそうです。
前日に宿泊したナバレッテで、朝出発しようとしたところ、自分の靴がなくなっていました。
どうやら他の巡礼者が間違えて履いて行ってしまったらしく、探し回ったものの見つからず、新しい靴を買うことになったそうです。
その後、時間を取り戻すためにバスでナヘラまで移動し、そこからアゾフラまで歩いてきたとのことでした。
「こんな遅い時間に歩いたのは初めてだった。誰も歩いていなくて寂しかったよ。」
そう話しながら、嬉しそうにスイカを食べていました。
タフな巡礼者たちから元気をもらった一日
スイカを食べながら、日本人女性と同室になったスイス人女性とも話をしました。
彼女は英語はあまり話せませんでしたが、お互いにGoogle翻訳を使いながら、一生懸命会話をしてくれました。
驚いたことに、彼女はスイスの自宅からここまで歩いてきたそうです。
しかも70歳を超えていると聞き、さらに驚きました。
この日出会った日本人女性たちも70歳前後。
それぞれがこれまで歩んできた人生や、カミーノに挑戦した理由を聞いていると、自分の体力や体調に合わせて歩く距離を調整しながら、それぞれのペースでサンティアゴを目指している姿が、とても印象に残りました。
この日は「一人でのんびり過ごそう」と思っていました。
しかし実際には、普段とは違う人たちとの交流を楽しみ、たくさん笑い、たくさん元気をもらう一日になりました。
歩いた距離はわずか約5.5km。
以前なら長く感じていた距離ですが、この頃には10kmにも満たないと、「今日はほとんど歩いていない」と思えるようになっていました。
体を休めながら、心はたくさんの出会いで満たされた、そんな特別な休養日になりました。
まとめ|スイカが巡礼者たちをつないだ
カミーノ9日目は、ナヘラからアゾフラまで約5.5kmを歩く、初めての「休養日」でした。
一人でゆっくり過ごすつもりで始まった一日でしたが、日本人巡礼者との再会や新たな出会い、そしてアルベルゲでのスイカパーティーなど、予想以上に多くの交流に恵まれました。
また、70歳前後でサンティアゴを目指す日本人女性や、70歳を超えてスイスから歩いてきた女性との出会いを通して、体力や年齢に合わせて歩く距離を調整しながら、それぞれのペースで巡礼を続ける姿が印象に残りました。
歩いた距離はわずか約5.5kmでしたが、この日に得た出会いや会話は、それ以上に大きな思い出です。
一玉のスイカが国籍や年齢を超えて巡礼者たちを笑顔でつなぎ、改めてカミーノの温かさを実感した、忘れられない休養日となりました。
翌日はルーカスとリンとの再会を楽しみに、グラニョンの寄付制アルベルゲを目指して歩きます。






