2025年9月、カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」巡礼17日目。
この日は、カリオン・デ・ロス・コンデス(Carrión de los Condes)からテラディジョス・デ・ロス・テンプラリオス(Terradillos de los Templarios)まで、約26.4kmを歩きました。
道中では、74歳のイタリア人男性との出会いがあり、仕事や人生について語り合うなかで、自分自身の生き方についても考えさせられました。
前日にイテロ・デ・ラ・ベガからカリオン・デ・ロス・コンデスまで歩いた様子は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カミーノ フランス人の道16日目|イテロ・デ・ラ・ベガからカリオン・デ・ロス・コンデスへ|巡礼の目的を問い直すカミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」16日目の体験記です。イテロ・デ・ラ・ベガからカリオン・デ・ロス・コンデスまで32.5kmを歩きました。フロミスタの水路や教会で出会った地元の女性たち、アルベルゲでのシスターたちの歌と夕食、日本人巡礼者や哲学好きのニコとの交流を紹介します。
カミーノ・デ・サンティアゴのルートや費用、持ち物などについては、カミーノ全体のまとめ記事でも紹介しています。
ルート・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発地 | カリオン・デ・ロス・コンデス(Carrión de los Condes) |
| 到着地・宿泊地 | テラディジョス・デ・ロス・テンプラリオス(Terradillos de los Templarios) |
| 距離 | 約26.4km ※カミーノアプリ「Camino Ninja」より |
| 所要時間 | 約8時間 |
| 天気 | 晴れ |
| 宿泊先 | Hostel Jacques De Molay |
ウォーキングアプリの記録です。
休憩時間を含むため、実際の歩行時間とは多少の誤差があります。

17日目のポイント
朝6時半過ぎに出発。リンと一緒に歩き始める
朝食は前日に準備しておいたバナナやシリアルバーで簡単に済ませ、6時半過ぎにリンと一緒に出発しました。

しばらく歩いていると、以前エステージャ(Estella)などで同じアルベルゲに泊まっていたイタリア人男性に会いました。
74歳の男性で、リンは以前から知っていましたが、私は言葉を交わすのは初めてでした。
歩きながら話をしていると、彼がピザ柄のネック・フェイスカバーを見せてくれました。
イタリアらしいデザインが印象的で、思わず写真を撮らせてもらいました。

その後、3人で「Coffee Bar El Camino」に立ち寄り、コーヒー休憩をすることに。


ただ、このカフェにはトイレがありません。
カリオン・デ・ロス・コンデスから次の休憩場所であるカサディージャ・デ・ラ・クエサ(Calzadilla de la Cueza)までは約17kmあります。
私が歩いたときは、その間にトイレを利用できるカフェやバルを見つけられませんでした。
イタリア人男性が途中で草むらに入ったため、いったん別行動に。私とリンも場所を探し、最終的には道から少し外れた草むらで、周囲を確認しながら用を足しました。
美しいイタリアのクレデンシャル
その後、「CANARIOS, BAR」でコーヒーとトイレ休憩をしました。
ここでイーサンやエマ、そして先ほどのイタリア人男性たちとも再会しました。
休憩中には、イタリア人男性とお互いのクレデンシャル(巡礼手帳)を見せ合いました。




私が持っていたものとはデザインが異なり、イタリアのクレデンシャルも美しいものでした。
彼のクレデンシャルは寄付制で、決まった金額ではなく、自分で決めた額を寄付して受け取ったそうです。
休憩を終えると、エマ、リン、イタリア人男性と一緒に歩き始めました。

物質的な豊かさよりも、今を生きること
歩きながら、イタリア人男性は自分の人生について話してくれました。
彼は英語が得意というわけではなかったため、Google翻訳を使いながら会話をしました。
言葉が十分に通じなくても、お互いに伝えようとするうちに、少しずつ話が深まっていきました。
彼は定年退職後にカミーノを歩き始めたそうです。それまでは仕事に追われ、働きすぎて体調を崩すこともあったと話してくれました。
そんな経験もあってか、彼はお金や社会的な地位など、物質的な豊かさばかりを追い求める社会について、自分の考えを共有してくれました。
過去の出来事を悔やんだり、まだ起きていない未来のことを心配したりして、今この瞬間を十分に生きられていない人が多いのではないか。
過去の経験も、これから先の未来も、今の自分につながっている。
だからこそ、過去を悔やんだり未来を心配したりするだけでなく、今という時間を大切にすることが重要なのだと話してくれました。
彼の言葉を聞きながら、私自身も会社で働いていた頃のことを思い出しました。
仕事をしていた頃は、物質的な豊かさや社会的な評価に意識が向き、自分にとって本当の幸せとは何なのかを考えることから、どこかで逃げていたように思います。
会社を辞めて旅を始めた今も、自分にとっての幸せを探している途中です。
まだ明確な答えが見つかったわけではありませんが、こうして異なる人生を歩んできた人と話すことで、自分の価値観を見つめ直す機会が生まれるのだと感じました。
年齢が大きく離れていて、言葉も十分には通じない。それでも、彼は私の話にも真摯に耳を傾け、対話を続けてくれました。
Google翻訳を使いながら、お互いの考えを伝え合い、同じような価値観を共有できたことが、とてもうれしかったです。
普段の生活では、ここまで深く人生について話す機会はなかなかありません。言葉や年齢の違いを越えて、心に響く話ができたことは、私にとって忘れられない経験になりました。

しばらく一緒に歩いた後、彼は、Google翻訳を使いながら話す私のペースを気にかけてくれました。
リンやエマと離れてしまわないよう、途中で別れを告げ、再び自分のペースで歩き始めました。
短い時間でしたが、彼との会話は、この日の巡礼で特に印象に残る出来事となりました。
カミーノ後、日本での再会
彼は2026年3月に息子さんと一緒に日本を旅行する予定だと話してくれました。そこで、私は日本でおすすめの場所をいくつか伝えました。
その後、彼が京都に滞在しているときに、私も京都を訪れ、一緒に食事をすることができました。
スペインの巡礼路で出会った人と、今度は日本で再会する。カミーノを歩いていたときには想像していなかったつながりが生まれたことを、とてもうれしく思いました。
テラディジョス・デ・ロス・テンプラリオスに到着。久しぶりに洗濯機を使う
イタリア人男性と別れた後は、エマやリンと一緒に歩きました。
やがてリンは予約していたアルベルゲへ向かい、私はエマと歩き続けました。途中でイーサンも追いついてきました。
14時過ぎ、イーサンと私はテラディジョス・デ・ロス・テンプラリオスにある「Hostel Jacques De Molay」に到着しました。
この日はここに宿泊することにしましたが、エマはもう少し歩きたいとのことで、さらに先の街へ向かいました。
このアルベルゲでよかったのは、2段ベッドではなくシングルベッドだったこと。
カミーノでは2段ベッドのドミトリーに泊まることも多いため、自分のベッドでゆっくり休めるのがうれしかったです。
アルベルゲには、以前にも会ったオーストラリア人男性や香港人男性の姿もありました。
そして、イーサンの声掛けで、久しぶりに洗濯機を一緒に使うことになりました。
オーストラリア人男性とイーサン、私の3人で洗濯機を利用し、料金は1人1ユーロ。
歩いた後に洗濯を済ませ、翌日に備える。そんな日々の繰り返しも、カミーノでの生活の一部でした。
しばらくすると、ルーカスもアルベルゲに到着しました。
この日は、いつも一緒にいるわけではないメンバーが同じアルベルゲに集まり、少し新鮮な気分でした。
アルベルゲの夕食とジブリ映画の話
夕食は、アルベルゲで提供されていたメニューを注文しました。
いくつかのセットから選べるようになっていて、私が選んだのは14ユーロのメニュー(2025年9月時点)です。
スープ、魚料理のメイン、デザートが付いており、ワインも楽しめました。歩いた後にしっかり食事を取れるのは、うれしいことです。


この日は、普段とは違うメンバーで夕食を囲みました。
話題は日本のジブリ映画へ。海外でも作品を知っている人が多く、それぞれ好きな映画について話していました。
ただ、私は映画の日本語タイトルにはなじみがあっても、英語のタイトルはあまり知らなかったため、何の作品について話しているのかわからなくなることもありました。
「あの映画のことだったのか!」と、後から気づくことも。
日本の作品が海外の人たちにも知られていて、こうして旅先で話題になることが、なんだかうれしく感じられました。
カミーノで出会った巡礼者たちとの交流については、こちらの記事で紹介しています。
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まとめ|歩きながら、自分にとっての幸せを考える
カミーノ17日目は、カリオン・デ・ロス・コンデスからテラディジョス・デ・ロス・テンプラリオスまで、26.4kmを歩きました。
この日、特に印象に残ったのは、74歳のイタリア人男性との出会いです。仕事やお金、社会的な評価だけでは測れない豊かさについて話すなかで、自分にとっての幸せを改めて考えました。
まだ明確な答えは見つかっていません。それでも、旅先でさまざまな価値観に触れることが、自分自身を見つめ直すきっかけになっています。
また、カミーノで出会った彼とは、2026年3月に京都で再会することもできました。旅先での出会いが、その後も続いていくことのうれしさを感じています。
一日の終わりには、仲間たちと夕食を囲み、ジブリ映画の話で盛り上がりました。
人生について考える時間も、仲間と笑い合う時間も大切にしたいと感じました。





