カミーノ フランス人の道16日目|イテロ・デ・ラ・ベガからカリオン・デ・ロス・コンデスへ|巡礼の目的を問い直す

スペイン

2025年9月、カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」巡礼16日目。

この日は、イテロ・デ・ラ・ベガ(Itero de la Vega)からカリオン・デ・ロス・コンデス(Carrión de los Condes)まで、約32.5kmを歩きました。

前日はゆっくり休めたこともあり、気持ちよく歩き始めることができました。

道中では美しい水路や鳥たちを眺め、教会では地元の女性たちの優しさに触れました。

そして、この日の宿泊先ではシスターたちの歌や巡礼者たちとの夕食が待っていました。

自分がなぜカミーノを歩いているのか、改めて考えるきっかけにもなった一日です。

前日にオンタナスからイテロ・デ・ラ・ベガまで歩いた様子は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

カミーノ フランス人の道 15日目|オンタナスからイテロ・デ・ラ・ベガへ|ひとり時間で回復
カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」15日目の体験記です。オンタナスからイテロ・デ・ラ・ベガまで20.2kmを歩きました。メセタの景色、新しいバックパックの調整、宿泊したアルベルゲや街の商店での買い物、一人で過ごした夕食の様子を紹介します。

カミーノ・デ・サンティアゴのルートや費用、持ち物などについては、カミーノ全体のまとめ記事でも紹介しています。

ルート・基本情報

項目内容
出発地イテロ・デ・ラ・ベガ(Itero de la Vega)
到着地・宿泊地カリオン・デ・ロス・コンデス(Carrión de los Condes)
距離約32.5km ※カミーノアプリ「Camino Ninja」より
所要時間約8時間
天気晴れ
宿泊先Hostel Parish Santa Maria del Camino

ウォーキングアプリの記録です。

休憩時間を含むため、実際の歩行時間とは多少の誤差があります。

この日の体調
前日の休息のおかげで、心身ともに回復。体も気持ちも軽く、気持ちよく歩き始めることができた。

16日目のポイント

  • フロミスタの水路や、道中で出会う鳥たちを観察しながら歩いた
  • レベンガ・デ・カンポスの教会で、地元の女性たちの優しさに触れた
  • アルベルゲでシスターたちの歌を聴き、巡礼者たちと食事を楽しんだ
  • 日本人巡礼者や哲学好きのニコと出会い、交流を深めた

カミーノでは、出発時間や休憩の取り方によって、一日の過ごし方も変わります。

実際に巡礼して感じた一日のスケジュールについては、カミーノの一日のスケジュールを紹介した記事も参考にしてください。

早朝に星空を眺めながら、ひとり歩く

朝食は、前日に買っておいたバゲットに、ハモンセラーノとチーズを合わせて食べました。昨日の残りを活用した、シンプルな朝ごはんです。

6時半過ぎにはアルベルゲを出発。

外はまだ暗く、空には星が見えていました。静かな道を歩きながら星空を眺めていると、早朝ならではの特別な時間を感じます。

前日は一人でゆっくり過ごしたことで、この日は体も気持ちも軽く、気持ちよく歩き始めることができました。

フロミスタの水路と、道中で出会った美しい景色

しばらく歩き、ボアディージャ・デル・カミーノ(Boadilla del Camino)を過ぎたあたりで、美しい水路を見つけました。

この日はほとんど一人で歩いていたこともあり、道沿いの景色や鳥たちを観察しながら、自分のペースで進みました。

フロミスタの街を少しだけ散策

その後、フロミスタ(Frómista)に到着しました。

フロミスタは、以前から良い街だと聞いていた場所です。

街の入口では、変わった形の水路を見ることができました。

街を少し歩いた後、コーヒーとトイレの休憩を済ませて出発しました。

この日はカリオン・デ・ロス・コンデスでエマやリンたちと合流したかったため、散策は短めにしました。

今回は短い滞在になりましたが、いつか時間をかけて訪れてみたい街の一つです。

レベンガ・デ・カンポスの教会で出会った優しい女性たち

昼ごろ、レベンガ・デ・カンポス(Revenga de Campos)に到着しました。

ここで訪れたのが、サン・ロレンソ教会(Iglesia de San Lorenzo)です。

教会に着くと、ボランティアで扉を開けていた女性たちが、ちょうど昼休憩のために施錠しようとしているところでした。

もう見学できないかもしれないと思いましたが、女性たちは私のために中へ通してくれました。

小さな教会でしたが、内部の装飾が素敵で、立ち寄ってよかったと思える場所でした。

言葉が通じなくても伝わる優しさ

女性たちは英語を話しませんでしたが、私も知っているスペイン語を使いながら、少し会話をすることができました。

日本から一人でカミーノに来たことや、巡礼仲間ができて一緒に歩いていることなどを話しました。

明るくて素敵な女性たちで、短い時間でしたが、温かい交流ができたことを覚えています。

特にうれしかったのは、休憩に入るところだったにもかかわらず、私のために教会を開けてくれたこと。

そして、別れ際に「Buen Camino(良い巡礼を)」と声をかけてくれたことです。

思いがけない親切に触れ、心が温かくなりました。

カリオン・デ・ロス・コンデスに到着!日本人巡礼者との出会い

午後2時過ぎ、カリオン・デ・ロス・コンデスに到着しました。

すでにエマやリンはアルベルゲに到着していて、私も無事に合流することができました。

イーサンも遅れて到着しましたが、ルーカスだけは別の街に宿泊しました。

この日の宿泊先は、Hostel Parish Santa Maria del Camino。

滞在中は、イタリアから来た高校生たちがボランティアとしてオスピタレロを手伝っていました。

また、ここでは新たに日本人女性2人と出会いました。

カミーノでは、日本人に出会う機会があまりなく、たまに日本人と会って日本語で話したり、巡礼中の情報を交換したりすると、ほっとした気持ちになります。

アルベルゲの設備

シャワーやトイレの数は少なめでしたが、キッチンは広く、基本的な設備が整っていました。

街にはスーパーマーケットのDiaもあるため、食材を買って自炊することもできます。

持ち寄りの食事会に参加しない場合でも、食事の準備に困りにくい環境だと感じました。

シスターたちの歌と、巡礼者たちとの夕食

この日のアルベルゲでは、夕方から夜にかけて、少し特別なプログラムが用意されていました。

  • 18時:シスターたちの歌と巡礼者同士の交流
  • 19時:近くの教会でのミサ
  • 20時:参加者が一品ずつ持ち寄る夕食

普段のアルベルゲでの夜とは違い、ほかの巡礼者たちと交流できる機会がたくさんありました。

シスターたちの歌と、それぞれのカミーノ

18時からは、シスターたちの歌を聴く時間がありました。

録画や撮影は禁止されていましたが、「Take Me Home, Country Roads」などの有名な曲も演奏され、参加者みんなで歌いました。

貸してもらった歌詞カード

歌が始まる前には、参加者同士で自分のことを共有する時間もありました。

順番に名前と出身国を伝え、なぜカミーノに来たのかを話していきます。

私は、いつかカミーノを歩きたいと思っていたことを伝えました。

ただ、実際に歩き始めたものの、自分が何を目的にここへ来たのかは、正直なところ、自分でもよくわかっていませんでした。

そのため、まだ目的を見つけられていないが、素敵な巡礼仲間たちと出会って、一緒に過ごす時間がとても楽しいことを話しました。

カミーノを歩けば何かが変わるかもしれない。そんな期待があったのかもしれません。

参加者の中には、長年子育てをしてきて、自分のために何かをする時間がほとんどなかったと話す人もいました。

その人は、カミーノに来たことで、初めて自分のために何かをすることができたと、涙を浮かべながら話していました。

それぞれ異なる人生を歩んできた人たちが、同じ道を歩いている。

その理由も、抱えている思いも、人によって違います。

そんな話を聞きながら、カミーノには距離や目的地だけでは測れない、それぞれの物語があるのだと感じました。

ちなみに、イーサンは私が話した「まだ目的を見つけられていない」という言葉を覚えていて、後にサンティアゴへ到着する前にも、同じ質問を私に投げかけてくれました。

何気なく話した言葉を覚えていてくれたことが、後になってうれしく思えました。

みんなで囲む夕食と、哲学好きのニコとの会話

19時からのミサには、夕食の準備があったため、途中から少しだけ参加しました。

そして20時からは、参加者が一品ずつ持ち寄る夕食の時間です。

私はナスのソテーを作り、エマとリンはサラダを用意しました。

持ち寄った料理に加え、ボランティアの高校生たちもパスタやサラダ、チーズ、ワインなどを用意してくれていました。

みんなで料理を囲みながら食事をする、にぎやかで楽しい時間でした。

このとき、近くの席になったのが、ドイツ人のニコ(仮名・20代男性)です。

ニコについては、以前からエマやルーカスを通じて、哲学が好きな法学生で、歩きながら哲学的な問いを投げかけてくる人だと聞いていました。

実は2日前、オンタナスのアルベルゲで食事をしたときにも、近くの席に座っていました。

そのときは挨拶だけ交わしましたが、私はとても疲れていて、会話をする余裕がありませんでした。

この日は少し落ち着いて話すことができ、自分がカミーノに来る前から日記を書いていることを伝えました。

私の日記は、日々の出来事を記録するというよりも、自分の心情を書き留めることが中心です。

私は自分の感情を表現することがあまり得意ではありません。ときには、自分の感情なのか、ほかの人の感情なのか、わからなくなることもあります。

日記を書くことは、自分が何を感じているのかを理解するための手段になっていました。

そんな話をニコにすると、その後も哲学的なテーマについて、ときどき話をするようになりました。

カミーノで出会った巡礼者たちとの交流については、こちらの記事で紹介しています。

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まとめ|カミーノで出会う人々と、自分の内面に向き合う時間

イテロ・デ・ラ・ベガからカリオン・デ・ロス・コンデスまで、32.5kmを歩いた16日目。

道中では教会の女性たちの優しさに触れ、アルベルゲでは久しぶりに日本人と話し、シスターたちの歌や巡礼者たちとの夕食を楽しみました。

そして、自分がなぜカミーノを歩いているのか、まだ答えが見つかっていないことも、改めて言葉にしました。

カミーノに来た目的は何なのか。歩き続ければ、その答えが見つかるのか。

この時点では、まだわかりませんでした。

それでも、一人で歩きながら考えたり、誰かと話したりする時間を重ねることで、少しずつ自分の内面に向き合っていたように思います。

明日もまた、新しい街を目指して歩きます。

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