カミーノ・デ・サンティアゴを歩いてみたいと思っていても、「実際はどんな1日を過ごすの?」「毎日何をしているの?」と気になる方は多いのではないでしょうか。
カミーノ・デ・サンティアゴでは、早朝に出発し、昼過ぎから午後にアルベルゲへ到着する巡礼者が多くいます。
私も歩く前は、巡礼という特別な旅に少し身構えていました。
しかし、実際にフランス人の道34日間、フィステーラ・ムシア5日間、Variante Espiritual 4日間と、合計43日間カミーノを歩いてみると、日々の生活は驚くほどシンプルでした。
朝起きて歩き、アルベルゲに到着したらシャワーや洗濯を済ませ、食事をして翌日に備えて眠る。その繰り返しです。
ただ、そのシンプルな毎日の中に、美しい景色や新しい出会い、小さな発見がありました。
実際の巡礼者の1日の流れやスケジュールを知っておくと、カミーノ生活を具体的にイメージしやすくなります。
この記事では、私が体験したカミーノの1日の流れを紹介します。
カミーノ・デ・サンティアゴについて詳しく知りたい方は、カミーノのまとめページを参考にしてみてください。
カミーノ1日のスケジュール
私がフランス人の道を中心に、カミーノで過ごした1日のスケジュールは以下の通りです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5〜6時 | 起床・身支度・朝食 |
| 6〜7時 | アルベルゲ出発 |
| 7〜13時 | 歩行・休憩・昼食 |
| 13〜14時 | アルベルゲ到着・シャワー・洗濯 |
| 14〜18時 | 買い物・観光・昼寝 |
| 18〜20時 | 夕食 |
| 20〜21時 | 翌日の計画・日記 |
| 21〜22時 | 就寝 |
※歩く距離や季節、宿泊地によって起床・出発・到着時間は変わります。あくまで私が実際に過ごした日の一例です。
歩行距離や滞在する街によって、スケジュールは少し違いますが、多くの日はこのようなスケジュールで過ごしていました。
朝5〜6時頃に起床
アルベルゲの朝は早い
カミーノの朝はとても早く始まります。
私が利用したアルベルゲでは、朝5〜6時頃になると起きて出発準備を始める巡礼者が多くいました。
朝早く起きてまだ暗いうちから歩き始めるのには、以下のような理由があります。
- アルベルゲによってチェックアウト時間が決められている
- 日中の暑い時間を避けるため
- 公営アルベルゲは人気だが、予約ができないため、早く歩いてチェックインするため
アルベルゲは大部屋のドミトリー形式が多く、誰かが起きると自然と周囲も目を覚まします。
私はもともと夜型で早起きがとても不安でしたが、就寝時間も早いので、数日もすると早起きのリズムに慣れてきました。
荷物をまとめて出発準備
起床後は身支度をして、寝袋やシーツを片付け、バックパックを整理します。
毎日同じ作業を繰り返すので、どこに何を入れるか自然と決まっていきます。
私は出発前に以下を確認していました。
- 水は十分あるか(水筒に水道水を補充)
- 足にワセリンを塗ったか
- 補給食は持ったか
- モバイルバッテリーの充電はあるか
- 洗濯物を取り込んだか
私が歩いた9月は日の出時間が7時~8時頃だったので、毎日暗い時間に起床して身支度しました。
ヘッドライトを使ってバックパックの整理をする人が多かったです。
荷物が重すぎると毎日の歩行がかなり大変になります。私が43日間歩いて本当に役立った持ち物や不要だったものは、以下の記事で詳しく紹介しています。
【実体験】カミーノ巡礼の持ち物・荷物・装備完全ガイド|1000km歩いた私のおすすめ装備カミーノ・デ・サンティアゴを43日間、約1,000km歩いた実体験をもとに、持ち物を詳しく紹介。必須アイテムや便利だったもの、荷物を軽くするコツ、途中で買い替えた装備、失敗・反省点までまとめました。
朝食を食べて歩き始める
アルベルゲやバルで朝食
出発前に簡単な朝食をとります。
私はアルベルゲで簡単に朝食を済ませたり、歩き始めてからバルやカフェで朝食をとったりしていました。
バックパックを背負って20〜30km歩くため、朝のエネルギー補給は欠かせません。
朝食や歩行中の食事、バルで食べたものなど、カミーノの食事事情については、カミーノの食事事情で詳しく紹介しています。
朝のカミーノは特別な時間
私が特に好きだったのは朝の時間です。
空気がひんやりとしていて歩きやすく、巡礼路も静かです。
1日のうち、朝が最も寒く、歩いていると露出している手が冷たくなりました。
日の出までの時間は、指先の出た薄い手袋を身に着けていました。
歩き始めてから1~2時間すると、空が少しずつ明るくなり、朝日が畑や村を照らし始める光景は何度見ても飽きませんでした。

午前中はひたすら歩く
休憩しながら自分のペースで進む
出発後は次の村やカフェを目指して歩きます。
数時間連続で歩くこともありますが、途中で休憩を挟みながら進む人がほとんどです。
私は1〜2時間に1回程度休憩し、水分補給や軽食をとっていました。
歩く場所によっては、カフェやバルがあまりない場合もあるので、常に携帯食は欠かさないようにしていました。
他の巡礼者との出会い
黙々と歩く日もありましたが、巡礼仲間や他の巡礼者たちといろいろな話をしながら歩くことが多かったです。
お互いの国の話や生活、趣味、カミーノの役立ち情報、哲学的な話題など様々な話をしました。
本当にたくさんの人達と出会い、じっくり話をしながら歩くことができて、私にとってはカミーノの中でも一番楽しかったことの一つです。
途中で観光するかどうか
歩き始めてからアルベルゲに到着するまでにどこかに立ち寄って観光することはほとんどありませんでした。
一度、サリア(Sarria)に行く前にサモス修道院の見学ツアーに参加しました。
ガリシア州最古の修道院の一つで、宿泊することもできますが、私はLusíoという街に宿泊しました。
見学ツアーは、バックパックを預けて見て回ることができるので、とても身軽でした。

基本的にバックパックを背負ったまま観光するのは大変なので、アルベルゲ到着後にゆっくり観光しました。
昼食と午後の巡礼
ランチは軽食多め
昼食は決まった時間ではなく、その日の歩くペースや立ち寄ったバルに合わせて、途中で休憩しながらとっていました。
午後は暑さとの戦い
私が歩いた9月は、午後になると暑さを感じる日もありました。
日差しを遮るものが少ない区間では体力を消耗しやすいため、こまめな休憩と水分補給が欠かせません。
特にメセタ(Meseta)と呼ばれる乾燥地帯では、平坦ではあるものの日差しを遮るものがなく、とても暑かったです。
メセタは、ブルゴス(Burgos)~レオン(León)付近まで続きます。

午後以降はかなり暑くなるので、13時頃までには歩き終えられるようスケジュールを組みました。
そのため、多くの巡礼者は午前中に距離を稼ぎ、午後早めに目的地へ到着するスケジュールを組んでいます。
アルベルゲ到着後の過ごし方
アルベルゲに到着すると、多くの人が一斉にシャワーを浴びて洗濯を始めます。
物干し場には世界中の巡礼者の洗濯物が並び、少し休憩するとスーパーへ買い物に出掛ける人、街を散策する人、昼寝をする人など、それぞれ思い思いの午後を過ごしていました。
チェックイン・ベッド確保
アルベルゲ到着後にまず行うのはチェックインです。
私が利用したアルベルゲでは、13~14時頃からチェックインできるところがありました。
そのため、公営アルベルゲなど人気のある場所では、開始時間より前に到着してアルベルゲの前で待つ巡礼者も少なくありませんでした。

チェックインは、1人ずつまたは2~3人単位で行うので、意外と時間がかかります。
- パスポート(または身分証明書)の確認
- クレデンシャルへのスタンプ
- 宿泊費の支払い
- アルベルゲの説明
無事にベッドを確保できると、ほっと一安心します。
私が宿泊したアルベルゲのほとんどは、靴を入口付近で脱いで靴箱に入れて、持参したサンダルなどに履き替えて、ベッドルームに行きました。
荷物を置いたら、その後はシャワーを浴びて衣類を洗濯するのが私の日課でした。
洗濯を済ませてしまうと、その後は街歩きや夕食までゆっくり過ごせます。
私が宿泊したアルベルゲでは、温水シャワーを利用できました。
場所によっては温度が安定しないこともあると言われていますが、私自身は大きく困ることはありませんでした。
衣類の洗濯
汗をかいた衣類をその日のうちに洗濯します。カミーノでは洗濯がほぼ毎日の習慣になります。
毎日洗濯することで少ない着替えでも43日間問題なく歩けました。
洗濯方法やアルベルゲの設備、乾燥対策については、カミーノの洗濯事情で詳しく紹介しています。
買い物や街歩きを楽しむ
シャワーと洗濯を済ませた後は、スーパーで翌日の朝食や補給食を購入したり、教会や歴史的な建物を見学したりしました。
毎日異なる村や町に滞在するため、小さな発見がたくさんあります。


昼寝
巡礼者の中には、午後に昼寝をする人もいます。
シャワーを浴びてすっきりした後の昼寝は、とても気持ちがよかったです。
私も何度か昼寝をしましたが、昼に寝ると夜の寝つきが悪くなったので、基本的には起きていることが多かったです。
体調を崩したときは、体力回復のため、しっかり昼寝をしました。
教会のミサに参加
私が滞在した街では、夕方からミサが行われている教会がありました。
私はキリスト教徒ではありませんが、参加できる時は、参加していました。
ミサの時間帯は、観光目的の見学とは異なる形で教会内部に入ることができます。
すべての有料エリアに入れるわけではありませんが、内部を少し観ることができます。
ミサの流れは教会によって多少異なりますが、おおよそ以下のような流れでした。
- 司祭による挨拶
- 聖書の朗読
- 説教
- 共同祈願
- 聖体拝領(カトリック信者のみ)
- 巡礼者への祝福
- 閉会
スペイン語なので内容を完全に理解することはできませんでしたが、静かな教会の空気や地元の人々と巡礼者が集う雰囲気を感じるだけでも貴重な体験でした。
私が参加したミサは18〜19時頃から始まり、時間はだいたい30分~1時間くらいでした。
ミサによっては、カミーノの巡礼者たちを祝福していただける場合もあります。
夕食
夕食はアルベルゲで自炊をしたり、巡礼者向けメニュー(Menú del Peregrino)を食べたり、レストランやバルを利用したりと、その日の宿泊場所によってさまざまでした。
寄付制アルベルゲではコミュニティディナーが開かれることもあり、巡礼者同士で食卓を囲む時間は印象に残っています。
夕食後~就寝まで
翌日の計画
午後または夕食後に翌日の計画を立てていました。
どこまで歩くか、どこに泊るか、何時に出発するかなど、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの巡礼事務所でもらった資料やカミーノアプリ「Buen Camino」などを確認しながら、決めました。

目的地のアルベルゲのベッド数や歩く道の標高差などいろいろなことを考慮しながら考えました。
私が実際に歩いたフランス人の道34日間のルートや宿泊地については、カミーノ・デ・サンティアゴ フランス人の道34日間の記録で詳しく紹介しています。
日記を書く時間
巡礼の思い出を日記を書いたり、ノートに絵を描いたりする巡礼者を多く見かけました。
私は寝る前に、日記にその日に感じたことや新たに出会った人の名前と国を書き留めたりしました。

歩いている最中は目の前の景色や会話に集中しているため、夜に日記を書くことで、その日に出会った人や印象に残った出来事を改めて振り返ることができました。
後から読み返すと、旅の記録としても貴重な思い出になりました。
21〜22時頃には就寝
巡礼者の夜は早く訪れます。
翌日も歩くため、私の周りでは21〜22時頃にはベッドに入る人が多かったです。
私が利用したアルベルゲでは、22時頃に消灯するところもありました。
日本での生活では夜更かしすることも多かった私ですが、カミーノでは驚くほど健康的な生活リズムになりました。
歩いて、食べて、眠る。そのシンプルな毎日を積み重ねながら、少しずつサンティアゴへ近づいていきました。
カミーノ生活でよくある疑問
カミーノで気になりそうなことをまとめました。
飲み水はどうしていた?
飲み水はすべて水道水をウォーターボトルに補充して飲んでいました。
歩行中も水を補充できる場所は比較的多く、私自身は水が足りなくて困ることはありませんでした。
ただし、区間によっては補給ポイントが少ない場所もあるため、事前確認は大切です。
また、バルやカフェなどでも「水道水をボトルに入れてほしい」とお願いすると入れてもらえることが多かったです。
一度、ポルトガル人の道(Variante Espiritual)を歩いた際、Vilanova de Arousaという街の「Albergue Variante Espiritual」の水道水のにおいが気になって、飲めなかったため、スーパーで水を購入しました。
水を購入している人や、フィルター付きのウォーターボトルを使っている人もいました。
貴重品は安全?
私の周りでは、カミーノでパスポートやお金などの貴重品を盗まれたという話は聞きませんでした。
しかし、貴重品の管理は大事です。
歩いている時、貴重品はボディバッグ等に入れていました。
トイレに行く際は、大体の場合、バックパックを見てもらうよう誰かにお願いしていました。
また、寝る時は、バックパックの中ではなく、枕の近くや下に貴重品を置いていました。
一方で、アルベルゲに置いていた靴や自作の杖をなくしたという話は聞きました。
アルベルゲでは多くの人と部屋を共有しているので、特に大事なものの管理は気を付けておいた方がいいです。
洗濯物はどこに干す?
アルベルゲには屋外の物干し場があることが多く、到着後に洗濯をして干すのが日課でした。
化粧はしていた?
私は日焼け止めを塗り、眉毛だけ描いて過ごしていました。
実際にはノーメイクの人も多く、汗を大量にかくため化粧崩れしやすい環境です。
一方で、大きな街で観光する日や休息日にはメイクを楽しんでいる人もいました。
カミーノを歩き終えた1日の達成感
毎日20〜30km歩くのは決して楽ではありませんでした。
特に最初の1~2週間は、重たい荷物を背負って長距離を歩くことに体が慣れていませんでした。
最初の数日で足(小指・かかと)にまめができて、手当てをしながら歩いていました。
疲れ切って、「今日はもうこれ以上歩きたくない」と思う日もありました。
それでもアルベルゲに到着してバックパックを下ろした瞬間の達成感は格別でした。
巡礼仲間と「We made it(やったね)!」と言って、無事に歩き終えたことを称え合っていたのがすごく好きでした。
カミーノは長期間の旅になるため、費用も気になるポイントです。私が43日間歩いた際の宿泊費・食費・交通費などを実際の金額ベースでまとめています。
カミーノ・デ・サンティアゴ43日間の費用|総額50万円の内訳を公開カミーノ・デ・サンティアゴを43日間巡礼し、実際にかかった約49.5万円の費用を公開。航空券、宿泊費、食費、移動費、通信費、洗濯代、観光費、雑費まで内訳を紹介し、フランス人の道34日間の費用目安や節約のポイントもまとめました。
まとめ|特別なことはないけれど、特別な毎日だった
カミーノの1日は、決して派手ではありません。
毎日同じように歩いているようでいて、出会う人も景色も少しずつ変わっていきます。
歩く前は「巡礼者は毎日何をしているのだろう」と不思議に思っていました。
実際は、朝起きて歩き、アルベルゲで休み、翌日に備えて眠る。その繰り返しです。
ただ、そのシンプルな毎日の中に、新しい出会いや美しい景色、小さな発見がありました。
私にとってカミーノは、「歩くこと」そのものを楽しむ旅でした。
これからカミーノを歩く方は、朝早く出発して20〜30kmほど歩き、午後にアルベルゲで休み、夜は翌日の準備をして早めに眠る、という生活をイメージしておくとよいと思います。





