フランス南西部にあるルルドは、聖母マリアの出現で知られるカトリックの巡礼地です。
私は2025年、フランス旅行の途中でルルドを2泊3日で訪れました。
実際に訪れてみると、マサビエル洞窟や奇跡の泉だけでなく、夜のろうそく行列や聖域の大聖堂など、宗教に詳しくない私でも印象に残る場所がたくさんありました。
この記事では、ルルドを2泊3日で訪れた私の実体験をもとに、見どころ、アクセス、宿泊、観光にかかった時間、実際に感じた雰囲気などを紹介します。
ルルドからガヴァルニー圏谷への日帰り旅行については、こちらの記事で詳しく紹介します。
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ルルドとはどんな場所?
ルルドは、フランス南西部のピレネー山脈のふもとに位置する小さな町です。
1858年、この町に住む少女ベルナデッタ・スビルーの前に聖母マリアが現れたとされ、マサビエル洞窟から泉が湧き出たことをきっかけに、現在では世界中から巡礼者が訪れる巡礼地となりました。
ルルドでは、ベルナデッタが1858年2月から7月にかけて18回の聖母マリアの出現を体験したとされ、1862年には当時のタルブ司教によって出現が公式に認められています。
一般的に、ルルドはカトリックを代表する巡礼地として知られています。
毎年多くの巡礼者が世界中から訪れ、それぞれの願いを胸に祈りを捧げています。
宗教に詳しくない方でも、静かで厳かな雰囲気を感じられる特別な場所です。
グアダルーペ・ファティマと比べてみた
ルルドは、メキシコのグアダルーペ、ポルトガルのファティマなどと並び、世界各地から巡礼者が訪れるカトリックの巡礼地として知られています。
私は2025年に、この3か所すべてを訪れる機会がありました。
メキシコのグアダルーペ寺院については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
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いずれも聖母マリアの出現に関する出来事が起源となっていますが、それぞれ巡礼地としての特徴は異なります。
簡単に比較すると、それぞれ次のような特徴があります。
| 巡礼地 | 場所 | 出現の時期 | 特徴 | 信仰のポイント |
|---|---|---|---|---|
| グアダルーペ | メキシコ | 1531年 | 先住民フアン・ディエゴの前に出現 | 褐色の聖母 民衆信仰 |
| ルルド | フランス | 1858年 | 少女ベルナデッタの前に出現 | 奇跡の泉 病気平癒 |
| ファティマ | ポルトガル | 1917年 | 3人の子どもの前に出現 | 予言と啓示 |
実際に訪れてみると、それぞれ雰囲気にも違いがありました。
グアダルーペでは、メキシコの人々の生活に深く根付いた力強い信仰を感じました。
一方、ルルドでは病気の回復を願って訪れる巡礼者が多く、静かに祈りを捧げる姿がとても印象的でした。
また、この後訪れたファティマでも毎日ミサや宗教行事が行われており、世界中から集まった巡礼者の厚い信仰を感じました。
宗教や文化は異なっても、多くの人が希望や祈りを胸に集まる場所であることは、3か所に共通していました。
それぞれ異なる魅力がありましたが、どの巡礼地でも信仰の深さを感じることができました。
パリからルルドへ移動
日本からパリに到着した後、TGVを利用して巡礼前の滞在地であるルルドへ向かいました。
パリ(シャルル・ド・ゴール空港駅)からルルドまでは、途中ボルドー=サン=ジャン駅で乗り換えて向かいました。
私が利用した列車では、乗り換えを含めて約7時間かけてルルドへ向かいました。
移動スケジュール
| 時間 | 区間 |
|---|---|
| 08:07 | シャルル・ド・ゴール空港発 |
| 12:05 | ボルドー=サン=ジャン着 |
| 12:20 | ボルドー=サン=ジャン発 |
| 14:57 | ルルド着 |
私が2025年に利用した際の運賃は140.40ユーロでした。

Omioでのチケット予約について
私はヨーロッパ旅行中の鉄道移動でOmioを利用しています。日本語で予約でき、スマートフォンでQRコードを表示して乗車できたため、今回の移動でもスムーズに利用できました。


TGVは世界有数の高速鉄道として知られています。
ただ、今回乗車した列車は途中駅にも停車したため、想像していたほどスピードを実感する場面はありませんでした。
それでも車窓から広がるフランスの田園風景を眺めながら、快適な鉄道旅を楽しめました。
私が宿泊したエリアまでは、ルルド駅から徒歩15〜20分ほどでした。

この後はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ移動し、カミーノ・デ・サンティアゴの巡礼を開始しました。
ルルド聖域の見どころ
ルルド観光の中心となるのが、「ルルド聖域(Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes)」です。
聖域は1858年にベルナデッタが聖母マリアを見たとされるマサビエル洞窟を中心に整備された巡礼地です。
敷地内には複数の聖堂や礼拝堂、広場があり、巡礼者だけでなく観光目的で訪れる人の姿も見られました。
主な聖堂は次の3つです。
- 無原罪の御宿り大聖堂(上部聖堂)
- ロザリオ聖堂
- 聖ピオ10世地下聖堂
私が訪れたときも、世界中から集まった巡礼者が静かに祈りを捧げていました。
車椅子を利用している方や、その付き添いをしているボランティアの姿も多く見かけ、この場所が観光名所というより「祈りの場」であることを強く感じました。
無原罪の御宿り大聖堂(上部聖堂)
マサビエル洞窟の上に建てられている、美しいゴシック様式の大聖堂です。
1871年に完成したこの大聖堂は、ルルドを象徴する建物の一つで、尖塔が空へ向かって伸びる姿は遠くからでも目を引きます。

内部には美しいステンドグラスが並び、ベルナデッタが体験した聖母マリアの出現の様子などが描かれています。

ロザリオ聖堂
無原罪の御宿り大聖堂の正面に建つのが、ロザリオ聖堂です。
丸みを帯びたビザンチン様式の外観が特徴で、正面広場から見上げる姿はとても美しく、ルルドを代表する景色の一つになっています。


ロザリオ聖堂外の入口左側には、聖母マリアの出現に関する3つの出来事がモザイク画で表現されています。

真ん中が「ルルドの泉」、

右側がメキシコの「グアダルーペの聖母」、

そして、左側がポルトガルの「ファティマの聖母」です。

これらのモザイク画は、昼と夜で雰囲気が異なります。
夜はライトアップされているので、暗い時間でもモザイク画を鑑賞することができます。

聖堂内は、聖母マリアに関する美しいモザイク画で彩られています。

特に印象的なのが、ロザリオの「喜び」「苦しみ」「栄光」の神秘を表現した15枚のモザイク画です。
一枚一枚が非常に美しく、イエス・キリストと聖母マリアの生涯を物語るように描かれていました。



聖堂の中をゆっくり歩きながら、美しい装飾や静寂な空気に心が落ち着くのを感じました。
マサビエル洞窟と奇跡の泉
ルルドを象徴する場所の一つが、マサビエル洞窟です。
1858年、この洞窟でベルナデッタ・スビルーは18回にわたり聖母マリアの出現を体験したと伝えられています。
聖母マリアの導きによって地面を掘ると泉が湧いたとされ、その泉の水に病気の治癒を願う巡礼者が訪れるようになりました。
私が訪れた日はちょうどミサが行われており、多くの巡礼者が祈りを捧げていました。
そのため洞窟のすぐ近くまでは行けませんでしたが、離れた場所からでも厳かな雰囲気が伝わってきました。

洞窟の湧水そのものには直接触れられませんが、近くに設けられた蛇口から泉の水をいただくことができます。

実際に飲んでみましたが、特別な味がするわけではなく、とても澄んだ水という印象でした。

聖域内を散策
聖域内は洞窟だけではなく、散策するだけでも見どころがたくさんあります。

ガヴ川沿いには木陰の遊歩道が続き、ゆっくり歩くだけでも心が落ち着きました。

聖域内では、世界各国から訪れた巡礼団が旗を掲げ、それぞれの言語で祈りを捧げる姿を見ることができました。
信仰する国や文化は違っても、同じ場所で祈りを捧げる姿が印象に残りました。
また、献灯台には、大きなろうそくがたくさん並んでいました。

聖域周辺のお店
聖域周辺には、聖母マリア信仰に関するお土産屋さんなどが立ち並んでいます。
聖母マリア像やメダイ(メダル)、ロザリオなど、さまざまな巡礼用品が並んでいました。


奇跡の泉の水を持ち帰るためのボトルや、ろうそく行列で使うろうそくも販売されています。
私が2025年に訪れた際は、ろうそくとカバーのセットを0.45ユーロで購入しました。

ろうそく行列(ロザリオ行列)に参加
ルルド聖域のみどころの一つは、毎晩行われる「ろうそく行列(ロザリオ行列)」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始時間 | 21時~ |
| 開催時期 | 4月~10月 |
| 場所 | ロザリオ聖堂前の広場 |
| 参加費用 | 無料 |
※開催時期や開始時間は変更される場合があるため、訪問前にルルド聖域の公式情報をご確認ください。
私も実際に参加し、21時少し前にロザリオ聖堂前の広場に到着すると、聖堂前の広場には、ろうそく行列の開始を待つ多くの人が集まっていました。

聖母マリア像を先頭にした行列が広場へ入ってくると、参加者もろうそくを手に聖歌を歌いながら祈りを捧げました。

多数の灯りが夜の聖域を照らす光景は幻想的で、昼間とはまったく違う雰囲気でした。
最初は数本だったろうそくの灯りが、隣の人から火を分けてもらうたびに少しずつ広がっていきます。
気が付くと広場全体が温かな光に包まれ、その光景は写真では伝えきれないほど幻想的でした。

ルルドの街ではそんなに人を見かけなかったので、たくさんの人がろうそく行列に参加していて驚きました。
聖歌が何曲も歌われていましたが、「アヴェ・マリア」が繰り返し歌われ、広場に広がる歌声に感動しました。
ルルドを訪れるのであれば、時間が合えば、ぜひ参加してみてほしい行事の一つです。
ベルナデッタゆかりの場所
ルルド市街には、ベルナデッタゆかりの場所がいくつか残されています。
私が訪れたのは、ベルナデッタが幼少期を過ごした家です。
ベルナデッタの家

当時のベルナデッタ一家の暮らしぶりを感じられる、質素な造りの建物でした。
室内には家具や生活用品などが展示されており、19世紀の暮らしを知ることができます。



聖母マリアの出現という奇跡だけではなく、一人の少女としてのベルナデッタの人生にも触れられる場所でした。

聖域だけでは分からないベルナデッタの暮らしを知ることで、ルルドという場所をより身近に感じることができました。
ルルドと長崎のつながり
ルルドを訪れて初めて知ったのが、日本の長崎との深い関わりです。
長崎県には、ルルドのマサビエル洞窟を再現した「ルルド」がいくつかあります。
その一つが、五島列島・新上五島町にある井持浦教会です。
教会の敷地内には、日本で最初に造られたルルドとして知られる洞窟があります。
また、長崎市にある本河内ルルドも、ルルドを模して造られた祈りの場として知られています。
私は小説家・遠藤周作氏の作品が好きで、長崎のキリスト教文化には以前から興味がありました。
しかし、日本にもルルドがあることは知らず、新たな発見になりました。
フランスと日本は遠く離れていますが、信仰を通じてつながっていることを実感できたのも、この旅の大きな収穫でした。
本場のルルドを訪れたからこそ、日本のルルドも訪れてみたいという新たな旅の目的ができました。
ルルドでの食事とスーパー
私はルルドでアパートメントタイプの宿に2泊しました。
共有キッチンや冷蔵庫があったため、食事はスーパーで購入した食材を使って簡単に自炊しました。
そのため、ルルドではレストランには行っていません。
ルルドの聖心教区教会(Église Paroissiale du Sacré-Cœur)のすぐ近くに宿泊して、歩いて2~3分の場所にカルフール(Carrefour)があったので、そこで食料を調達しました。
海外のスーパーを歩くのも旅の楽しみの一つです。
カルフールでは蟠桃(ばんとう)を見つけました。
私は日本では見たことがなかったので、思わず購入しました。
平たい形をした桃で、ずっと食べてみたいと思っていました。

甘みが強く、とてもジューシーで、私は日本で馴染みのある丸い桃よりも好きな味でした。

そのほか、夕食用にラザニア、朝食や昼食用にパンやチーズ、野菜なども購入しました。

ガヴァルニー圏谷へ日帰り旅行
ルルドには2泊しましたが、そのうち1日は世界遺産・ガヴァルニー圏谷へ日帰りで出かけました。
雄大なピレネー山脈の自然を満喫でき、ルルドとはまた違った魅力を楽しむことができました。
私は公共交通機関を利用して日帰りで訪れました。
ルルドとはまた違ったピレネー山脈の自然を楽しめたので、時間に余裕がある方は、周辺観光の候補に入れてみてもよいと思います。
巡礼だけでなく、自然も楽しみたい方には、ルルドとあわせて訪れやすい場所です。
ガヴァルニー圏谷については、こちらの記事で詳しく紹介します。
ガヴァルニー圏谷をルルドから日帰り|世界遺産の絶景ハイキングルルドからガヴァルニー圏谷へローカルバスで日帰りした体験を紹介。2025年9月のバス時刻・運賃、滝までのハイキング、服装・持ち物、注意点を写真とともに詳しく解説します。
ルルドは何泊がおすすめ?
私はガヴァルニー圏谷へ日帰り旅行をしたため2泊しました。ルルド聖域を中心に観光するだけなら、私自身は1泊2日でも主要な場所を見て回れると感じました。
一方で、ろうそく行列への参加や周辺観光も楽しみたい方は、2泊以上すると時間に余裕を持って過ごせるでしょう。
私の2泊3日の過ごし方
1日目:パリからルルドへ移動→ルルド聖域→ろうそく行列
2日目:ガヴァルニー圏谷へ日帰り
3日目:ベルナデッタゆかりの場所→サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ移動してカミーノへ
まとめ
ルルドは、美しい教会や聖堂を巡るだけの観光地ではなく、今も世界中から人が訪れ、祈りを捧げる巡礼地でした。
私にとって特に印象に残ったのは、夜のろうそく行列です。
無数のろうそくの灯りと「アヴェ・マリア」の歌声に包まれた時間は、今回の旅の中でも忘れられない体験になりました。
私自身、カトリック信者ではありませんが、静かに祈る人々の姿や聖域全体の厳かな雰囲気に心を動かされました。
カミーノへ向かう旅の始まりにルルドを訪れ、その後サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからフランス人の道の巡礼を始めたことは、私にとって忘れられない思い出です。
宗教に詳しくない方でも、静かな祈りの空気や美しい聖域の景色に触れ、心に残る時間を過ごせると思います。





