2025年9月、私はスペインの巡礼路「カミーノ・デ・サンティアゴ」のフランス人の道を歩きました。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで続く、約800kmの長距離ルートです。多くの巡礼者が数週間から1か月以上かけて歩きます。
私はフランス人の道を歩いた後、フィステーラ・ムシアの道、ポルトガル人の道の一部であるバリアンテ・エスピリチュアル(Variante Espiritual)も歩き、カミーノで歩いた距離は合計約1,000kmになりました。
行くことを決めたのは3週間前で、それから航空券の手配や準備を始めました。
出発前は、
- どのルートを選べばいいのか
- 何を準備すればいいのか
- クレデンシャルは必要なのか
- 宿は予約した方がいいのか
など、分からないことばかりでした。
この記事では、実際にフランス人の道を歩く前に私が準備したことをまとめます。
これからカミーノに挑戦する方の参考になれば幸いです。
カミーノのルートや持ち物、費用、アルベルゲ、食事など、私が実際に歩いた体験をまとめた記事は、カミーノの特集ページに整理しています。
特に持ち物については、実際に持って行ったものや装備について別記事で詳しく紹介しています。
カミーノ・デ・サンティアゴとは
巡礼路として始まった歴史
カミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ巡礼)は、キリスト教の聖地であるスペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路です。
伝承によると、イエス・キリストの十二使徒の一人である聖ヤコブ(サンティアゴ)の墓が発見されたことが始まりとされています。
中世にはヨーロッパ各地から多くの巡礼者が訪れ、「エルサレム」「ローマ」と並ぶキリスト教三大巡礼地の一つとして発展しました。
日本出発前には、カミーノの歴史や巡礼文化について知るために何冊か本を読みました。
特に参考になったのが以下の3冊です。
- 『サンティアゴ・デ・コンポステーラと巡礼の道』
- 『スペイン サンティアゴ巡礼の道 新装版』
- 『聖地サンティアゴ巡礼 増補改訂版――世界遺産を歩く旅』
現代では世界中の人が歩く旅
現在では、宗教的な目的だけでなく、さまざまな理由でカミーノを歩く人がいます。
- 人生を見つめ直したい
- 長期の徒歩旅に挑戦したい
- 世界中の人と交流したい
- 自然や歴史を楽しみたい
など、歩く理由は人それぞれです。
私自身も宗教的な理由ではなく、「一度は挑戦してみたい長距離徒歩旅」として興味を持ちました。
映画や書籍でも知られる巡礼路
カミーノ・デ・サンティアゴは、映画や書籍の題材としても知られています。
代表的な作品が、巡礼路を歩く人々の交流や成長を描いた映画『星の旅人たち』です。私自身も数年前に鑑賞しましたが、巡礼路の雰囲気や歩く旅の魅力を感じられる作品でした。
また、ブラジルの作家である パウロ・コエーリョ の著書『星の巡礼』も、カミーノを語るうえで有名な作品です。
『星の巡礼』は、著者自身がサンティアゴ巡礼を歩いた体験をもとに書かれた作品で、単なる旅行記ではなく、精神的な成長や人生について考えさせられる内容となっています。
私は数年前に読みました。巡礼路に興味がある方には一度読んでみる価値があると言われています。
カミーノ・デ・サンティアゴを歩こうと思った理由
以前から存在は知っていて、いつかはこの巡礼路を歩いてみたいと思っていました。
しかし、会社員をしている間は、長期休暇が最も長くても2週間程度で、挑戦するには十分な期間がないと感じていました。
2024年末に会社を退職し、十分な期間があったため、挑戦を決めました。
また、世界中から集まる巡礼者と出会えることや、1か月以上かけて歩く非日常的な旅に魅力を感じていました。
フランス人の道を選んだ理由
フランス人の道とは
私が歩いたフランス人の道(Camino Francés)は、カミーノ・デ・サンティアゴの中でも最も人気がある巡礼ルートです。
一般的にはフランス国境近くのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからスタートし、スペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。
私は1日20〜30kmほど歩きながら、休養日を含めて34日間かけてサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩きました。
さらにその後、フィステーラ・ムシアの道とポルトガル人の道(Variante Espiritual)も歩いたため、カミーノで歩いた距離は合計約1,000kmになりました。
なぜフランス人の道を選んだのか
カミーノには複数のルートがあります。
代表的なルートとしては、
- フランス人の道(Camino Francés)
- ポルトガルの道(Camino Portugués)
- 北の道(Camino del Norte)
- プリミティーボの道(Camino Primitivo)
などがあります。
私が選んだのは、カミーノの中でも特に知られている「フランス人の道」です。
選んだ理由は、初めて歩く人向けの情報が多く、ルート沿いの宿も比較的充実していることでした。
また、巡礼者が多いルートなので、日本語の体験記やガイドブックも多く、出発前に情報を集めやすかったことも安心材料になりました。
約800kmという長い距離には不安もありましたが、事前にルートや宿、実際に歩いた人の体験を調べられたため、「初めてならフランス人の道が歩きやすそう」と考えました。
実際に歩いてみると、世界各国から来た巡礼者と出会う機会も多く、初めてのカミーノとしてこのルートを選んでよかったと感じています。
フランス人の道の詳しいルートや見どころ、歩いた体験については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カミーノ巡礼 フランス人の道34日間の記録|ルート・宿泊地・費用まとめ2025年9月にカミーノ・デ・サンティアゴのフランス人の道を34日間で完歩した体験記です。実際のルート、宿泊地、歩行距離、宿泊費469ユーロの内訳、宿予約のコツやおすすめアプリも紹介します。
出発前に決めたスケジュール
私はカミーノ・デ・サンティアゴを歩いた後、スペイン、ポルトガル、モロッコを旅行しようと思っていて、余裕を持ったスケジュールにしたかったので、日本からパリへの片道航空券のみを購入しました。
まず、日本からフランスへ移動し、ルルド観光を経由してサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ向かう計画を立てました。
その後、
サン・ジャン・ピエ・ド・ポー
↓
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
↓
フィステーラ
という流れで歩く予定にしました。
フランス人の道は30〜40日ほどかかると言われていたため、休養日も考慮しながらできるだけ余裕を持った日程を組みました。
クレデンシャルを取得
クレデンシャルとは?
カミーノを歩く際に利用されるのが、「クレデンシャル」と呼ばれる巡礼者手帳です。
巡礼路沿いの宿泊施設で提示したり、巡礼中にスタンプを集めたりするほか、サンティアゴ・デ・コンポステーラ到着後に巡礼証明書(コンポステーラ)を申請する際にも使用します。
ただし、クレデンシャルそのものがなければカミーノを歩けないというわけではありません。
宿泊施設の利用や巡礼証明書の申請などを考える場合には、事前に用意しておくと安心です。
また、各街でスタンプを集めながら歩くため、旅の記録としても良い思い出になります。
クレデンシャルはフランス人の道の出発地でも入手できますが、私は出発前に日本で取得することにしました。
日本でクレデンシャルを取得した理由
私が利用したのは、日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会が発行しているクレデンシャルです。
費用は以下のとおりでした。
- 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会:1,200円(送料込)
- スペインのクレデンシャル:2ユーロ(約350円)
私が調べた当時は、現地で取得する方法のほうが安価でした。
一方、日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会のクレデンシャルは、カラーイラストが入ったデザインで、私は見た目にも魅力を感じました。
実際に巡礼中、私のクレデンシャルを見た巡礼者から「これが世界で一番美しいクレデンシャルだよ」と声をかけられることもありました。
日本で取得する場合は、申し込みから発送まで時間がかかるため、出発が決まったら早めに手続きをしておくことをおすすめします。
日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会について
日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会は、日本国内で巡礼者向けの情報提供やクレデンシャル発行を行っている団体です。
クレデンシャルの発行だけでなく、巡礼説明会や相談会なども開催しており、初めてカミーノに挑戦する人にとって心強い情報源になっています。
私も出発前には友の会のサイトを何度も参考にし、必要な準備や巡礼の流れについて調べました。
クレデンシャルの申込方法や最新情報は、友の会の公式サイトで確認できます。
日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会が発行するクレデンシャルは、公式サイトから申し込むことができます。
クレデンシャル | CAMINO | 日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
航空券・移動手段・宿の予約
航空券と移動手段を手配
出発前には、まず日本からフランスまでの航空券と、カミーノの出発地までの移動手段を手配しました。
- 片道航空券(日本→パリ)
- 電車(パリ→ルルド、ルルド→サン・ジャン・ピエ・ド・ポー)
また、到着後すぐに歩き始められるよう、出発地のサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの宿だけは事前に予約しました。
私はカミーノ後にポルトガルやモロッコへの旅行も考えていましたが、スケジュールを決めていなかったため、片道航空券のみを購入しました。
カミーノ中の宿については、基本的に現地で探す予定にしていました。
宿はどこまで予約するべきか
出発前に悩んだのが宿の予約でした。
調べてみると、
- 全て予約する人
- 数日分だけ予約する人
- 全く予約しない人
など、人によって考え方が異なります。
私は出発地のサン・ジャン・ピエ・ド・ポーだけ予約し、その後は状況を見ながら決めることにしました。
実際に歩いてみると、この判断は自分には合っていたと思います。
カミーノで実際に利用したアルベルゲの予約事情や宿選びのポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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出発前に不安だったこと
出発前は期待よりも不安の方が大きかったかもしれません。
特に心配だったのは、
- バックパックを背負って、毎日20km以上歩けるのか
- スペイン語が話せない
- 宿が満室にならないか
- ケガをしないか
という点でした。
実際に歩き始めてみると、私だけでなく、ほかの巡礼者もそれぞれ不安を抱えていることが分かりました。初日から自信満々に歩いている人ばかりではありません。
出発前にしっかり準備をすることも大切ですが、最終的には「まず行ってみる」ことが一番の準備だったように思います。
私はもともと歩くことは好きでしたが、出発前に特別なトレーニングはしていなかったため、かなり不安はありました。
ただ、もし途中で歩けなくなったら、距離を短くしたり、途中でやめたり、予定変更したらいいと気軽な気持ちで挑戦しました。
実際に歩き始めてからの1日の流れについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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また、出発前には持ち物や費用についても調べました。
特に、毎日バックパックを背負って長距離を歩くため、荷物をできるだけ軽くすることを意識しました。
実際に持って行ったものや装備については、別記事で詳しく紹介しています。
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まとめ|カミーノ出発前に準備しておきたいこと
カミーノ・デ・サンティアゴに挑戦すると決めてから、私が出発前に準備したのは、
- ルート選び
- 日程の調整
- クレデンシャルの取得
- 航空券・移動手段の手配
- 宿泊先の方針決定
などです。
約800kmの巡礼と聞くと大きな挑戦に感じますが、必要なことを一つずつ調べていくことで、少しずつ旅が現実になっていきました。
私自身、出発直前まで不安はありましたが、すべてを完璧に準備してから出発したわけではありません。宿の予約など、現地で状況を見ながら決めることもありました。
カミーノは長距離の徒歩旅だからこそ、事前に準備しておきたいことがあります。一方で、実際に歩き始めてから分かることもたくさんあります。
これからカミーノを歩く方は、まず自分が歩きたいルートと日程を決め、必要な準備から少しずつ進めてみてください。
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