ルルド観光2泊3日体験記|聖母マリアの奇跡の泉とろうそく行列

フランス

2025年9月、私はカミーノ・デ・サンティアゴを歩く前に、フランス南西部にある巡礼地・ルルドを訪れました。

カミーノ出発前の準備や旅程については、以下の記事で詳しくまとめています。

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ルルドは、世界各地から巡礼者が集まるカトリックの聖地として知られています。

私は2025年3月にメキシコのグアダルーペ寺院を訪れたことをきっかけに、世界的な巡礼地に興味を持ちました。そして、カミーノへ向かう途中でルルドにも立ち寄ることにしました。

実際に訪れてみると、観光地というよりも「祈りの場所」という印象が強く、昼夜を問わず多くの人が静かに祈りを捧げていました。

この記事では、ルルドで2泊した際の様子や見どころ、実際に感じたことをご紹介します。

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ルルドとはどんな場所?

ルルドは、フランス南西部のピレネー山脈のふもとに位置する小さな町です。

1858年、この町に住む少女ベルナデッタ・スビルーの前に聖母マリアが現れたとされ、その後、洞窟から湧き出た泉で多くの病気が癒されたという出来事から、現在では世界中から巡礼者が訪れる巡礼地となりました。

一般的に、ルルドはカトリックを代表する巡礼地として知られています。

毎年多くの巡礼者が世界中から訪れ、病気の回復や家族の健康など、それぞれの願いを胸に祈りを捧げています。

宗教に詳しくない方でも、静かで厳かな雰囲気を感じられる特別な場所です。

代表的なカトリック巡礼地との比較

ルルドは、メキシコのグアダルーペ、ポルトガルのファティマと並び、世界的に知られるカトリックの巡礼地の一つとされています。

私は2025年に、この3か所すべてを訪れる機会がありました。

メキシコのグアダルーペ寺院については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

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いずれも聖母マリアの出現に関する出来事が起源となっていますが、それぞれ巡礼地としての特徴は異なります。

簡単に比較すると、それぞれ次のような特徴があります。

巡礼地場所出現の時期特徴信仰のポイント
グアダルーペメキシコ1531年先住民フアン・ディエゴの前に出現褐色の聖母
民衆信仰
ルルドフランス1858年少女ベルナデッタの前に出現奇跡の泉
病気平癒
ファティマポルトガル1917年3人の子どもの前に出現予言と啓示

実際に訪れてみると、それぞれ雰囲気にも違いがありました。

グアダルーペでは、メキシコの人々の生活に深く根付いた力強い信仰を感じました。

一方、ルルドでは病気の回復を願って訪れる巡礼者が多く、静かに祈りを捧げる姿がとても印象的でした。

また、この後訪れたファティマでも毎日ミサや宗教行事が行われており、世界中から集まった巡礼者の厚い信仰を感じました。

宗教や文化は異なっても、多くの人が希望や祈りを胸に集まる場所であることは、3か所に共通していました。

それぞれ異なる魅力がありましたが、どの巡礼地でも信仰の深さを感じることができました。

パリからルルドへ移動

日本からパリに到着した後、TGVを利用して巡礼前の滞在地であるルルドへ向かいました。

パリ(シャルル・ド・ゴール空港駅)からルルドまでは、途中ボルドー=サン=ジャン駅で乗り換えて向かいました。

乗り換えを含め、約7時間かけてルルドへ向かいました。

移動スケジュール

時間区間
08:07シャルル・ド・ゴール空港発
12:05ボルドー=サン=ジャン着
12:20ボルドー=サン=ジャン発
14:57ルルド着

運賃は140.40ユーロでした。

チケットはOmioで事前に購入し、当日はスマートフォンのQRコードを提示して乗車しました。

TGVは世界有数の高速鉄道として知られています。

ただ、今回乗車した列車は途中駅にも停車したため、想像していたほどスピードを実感する場面はありませんでした。

それでも車窓から広がるフランスの田園風景を眺めながら、快適な鉄道旅を楽しめました。

ルルド駅は町の中心部の北側にあり、聖域やホテル街までは徒歩15〜20分ほどでアクセスできます。

この後はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ移動し、カミーノ・デ・サンティアゴの巡礼を開始しました。

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ルルド聖域とは

ルルド観光の中心となるのが、「ルルド聖域(Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes)」です。

聖域は1858年にベルナデッタが聖母マリアを見たとされるマサビエル洞窟を中心に整備された巡礼地です。

敷地内には複数の聖堂や礼拝堂、広場があり、巡礼者だけでなく観光客も自由に見学できます。

主な聖堂は次の3つです。

  • 無原罪の御宿り大聖堂(上部聖堂)
  • ロザリオ聖堂
  • 聖ピオ10世地下聖堂

私が訪れたときも、世界中から集まった巡礼者が静かに祈りを捧げていました。

病気療養中と思われる方や車椅子の方、その付き添いのボランティアの姿も多く見かけ、この場所が観光名所というより「祈りの場」であることを強く感じました。

無原罪の御宿り大聖堂(上部聖堂)

マサビエル洞窟の上に建てられている、美しいゴシック様式の大聖堂です。

1871年に完成したこの大聖堂は、ルルドを象徴する建物の一つで、尖塔が空へ向かって伸びる姿は遠くからでも目を引きます。

内部には美しいステンドグラスが並び、ベルナデッタが体験した聖母マリアの出現の様子などが描かれています。

ロザリオ聖堂

無原罪の御宿り大聖堂の正面に建つのが、ロザリオ聖堂です。

丸みを帯びたビザンチン様式の外観が特徴で、正面広場から見上げる姿はとても美しく、ルルドを代表する景色の一つになっています。

ロザリオ聖堂外の入口左側には、聖母マリアの出現に関する3つの出来事がモザイク画で表現されています。

真ん中が「ルルドの泉」、

右側がメキシコの「グアダルーペの聖母」、

そして、左側がポルトガルの「ファティマの聖母」です。

これらのモザイク画は、昼と夜で雰囲気が異なります。

夜はライトアップされているので、暗い時間でもモザイク画を鑑賞することができます。

聖堂内は、聖母マリアに関する美しいモザイク画で彩られています。

特に印象的なのが、ロザリオの「喜び」「苦しみ」「栄光」の神秘を表現した15枚のモザイク画です。

一枚一枚が非常に美しく、イエス・キリストと聖母マリアの生涯を物語るように描かれていました。

「喜びの神秘」お告げ:大天使ガブリエルがマリアに受胎を告知する
「苦しみの神秘」十字架の道行:イエスが重い十字架を背負って歩まれる
「栄光の神秘」聖母マリアの戴冠:マリアが天の元后の冠を受ける

聖堂の中をゆっくり歩きながら、美しい装飾や静寂な空気に心が落ち着くのを感じました。

マサビエル洞窟と奇跡の泉

ルルドで最も神聖な場所が、マサビエル洞窟です。

1858年、この洞窟でベルナデッタ・スビルーは18回にわたり聖母マリアの出現を体験したと伝えられています。

聖母マリアの導きによって地面を掘ると泉が湧き、その水によって病気が治癒したという出来事から、世界中の巡礼者が訪れるようになりました。

私が訪れた日はちょうどミサが行われており、多くの巡礼者が祈りを捧げていました。

そのため洞窟のすぐ近くまでは行けませんでしたが、離れた場所からでも厳かな雰囲気が伝わってきました。

洞窟の湧水そのものには直接触れられませんが、近くに設けられた蛇口から泉の水をいただくことができます。

実際に飲んでみましたが、特別な味がするわけではなく、とても澄んだ水という印象でした。

教会周辺を散策

聖域内は洞窟だけではなく、散策するだけでも見どころがたくさんあります。

ガヴ川沿いには木陰の遊歩道が続き、ゆっくり歩くだけでも心が落ち着きました。

聖域内では、世界各国から訪れた巡礼団が旗を掲げ、それぞれの言語で祈りを捧げる姿を見ることができました。

信仰する国や文化は違っても、同じ場所で祈りを捧げる姿が印象に残りました。

また、献灯台には、大きなろうそくがたくさん並んでいました。

聖域周辺のお店

聖域周辺には、聖母マリア信仰に関するお土産屋さんなどが立ち並んでいます。

聖母マリア像やメダイ(メダル)、ロザリオなど、さまざまな巡礼用品が並んでいました。

奇跡の泉の水を持ち帰るためのボトルや、ろうそく行列で使うろうそくも販売されています。

私はろうそく行列に参加するため、ろうそくとカバーのセットを0.45ユーロで購入しました。

ろうそく行列(ロザリオ行列)に参加

ルルド聖域のみどころの一つは、毎晩行われる「ろうそく行列(ロザリオ行列)」です。

開始時間:21時~
終了時間:22時~22時半
開催時期:4月~11月(毎日)
 場所 :ロザリオ聖堂前の広場
参加費用:無料

私も実際に参加し、21時少し前にロザリオ聖堂前の広場に到着すると、聖堂前の広場には、ろうそく行列の開始を待つ多くの人が集まっていました。

聖母マリア像を先頭にした行列が広場へ入ってくると、参加者もろうそくを手に聖歌を歌いながら祈りを捧げました。

多数の灯りが夜の聖域を照らす光景は幻想的で、昼間とはまったく違う雰囲気でした。

最初は数本だったろうそくの灯りが、隣の人から火を分けてもらうたびに少しずつ広がっていきます。

気が付くと広場全体が温かな光に包まれ、その光景は写真では伝えきれないほど幻想的でした。

ルルドの街ではそんなに人を見かけなかったので、たくさんの人がろうそく行列に参加していて驚きました。

聖歌が何曲も歌われていましたが、「アヴェ・マリア」が繰り返し歌われ、広場に広がる歌声に感動しました。

ルルドを訪れるのであれば、このろうそく行列はぜひ体験してほしいと思います。

ベルナデッタの家

ルルド市街には、ベルナデッタゆかりの場所がいくつか残されています。

私が訪れたのは、ベルナデッタが幼少期を過ごした家です。

建物は決して豪華ではなく、質素な造りでした。

当時ベルナデッタの一家は貧しく、決して裕福な暮らしではなかったことが伝わってきます。

室内には家具や生活用品などが展示されており、19世紀の暮らしを知ることができます。

聖母マリアの出現という奇跡だけではなく、一人の少女としてのベルナデッタの人生にも触れられる場所でした。

聖域だけでは分からないベルナデッタの暮らしを知ることで、ルルドという場所をより身近に感じることができました。

ルルドと長崎のつながり

ルルドを訪れて初めて知ったのが、日本の長崎との深い関わりです。

長崎県には、ルルドのマサビエル洞窟を再現した「ルルド」がいくつかあります。

その一つが、五島列島・新上五島町にある井持浦教会です。

教会の敷地内には、日本で最初に造られたルルドといわれる洞窟があるそうです。

また、長崎市にある本河内ルルドも、ルルドを模して造られた祈りの場として知られています。

私は小説家・遠藤周作氏の作品が好きで、長崎のキリスト教文化には以前から興味がありました。

しかし、日本にもルルドがあることは知らず、新たな発見になりました。

フランスと日本は遠く離れていますが、信仰を通じてつながっていることを実感できたのも、この旅の大きな収穫でした。

本場のルルドを訪れたからこそ、日本のルルドも訪れてみたいという新たな旅の目的ができました。

ルルドでの食事とスーパー

ルルドで宿泊した場所はアパートの1室で、共有キッチンや冷蔵庫があったため、簡単に自炊して食事をしました。

そのため、ルルドではレストランには行っていません。

ルルドの聖心教区教会(Église Paroissiale du Sacré-Cœur)のすぐ近くに宿泊して、歩いて2~3分の場所にカルフール(Carrefour)があったので、そこで食料を調達しました。

海外のスーパーを歩くのも旅の楽しみの一つです。

カルフールでは日本ではあまり見かけない蟠桃(ばんとう)を見つけ、思わず購入しました。

平たい形をした桃で、ずっと食べてみたいと思っていました。

甘みが強く、とてもジューシーで、私は日本で馴染みのある丸い桃よりも好きな味でした。

そのほか、夕食用にラザニア、朝食や昼食用にパンやチーズ、野菜なども購入しました。

ガヴァルニー圏谷(ルルド滞在2日目)

ルルドには2泊しましたが、そのうち1日は世界遺産・ガヴァルニー圏谷へ日帰りで出かけました。

雄大なピレネー山脈の自然を満喫でき、ルルドとはまた違った魅力を楽しむことができました。

ルルドから公共交通機関だけでアクセスでき、日帰りでも十分楽しめるので、時間に余裕があればぜひ合わせて訪れることをおすすめします。

巡礼だけでなく、ピレネー山脈の雄大な自然も楽しみたい方には特におすすめです。

ガヴァルニー圏谷については、こちらの記事で詳しく紹介します。

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ルルドは何泊がおすすめ?

私はガヴァルニー圏谷へ日帰り旅行をしたため2泊しましたが、ルルドだけを観光する場合は1泊2日でも主要な見どころを巡ることができます。

一方で、ろうそく行列への参加や周辺観光も楽しみたい方は、2泊以上すると時間に余裕を持って過ごせるでしょう。

まとめ

ルルドは、美しい教会を巡る観光地というよりも、世界中の人が祈りを捧げる「生きた巡礼地」でした。

私にとって特に印象に残ったのは、夜のろうそく行列です。

無数のろうそくの灯りと「アヴェ・マリア」の歌声に包まれた時間は、今回の旅の中でも忘れられない体験になりました。

私自身、カトリック信者ではありませんが、静かに祈る人々の姿や聖域全体の厳かな雰囲気に心を動かされました。

カミーノへ向かう旅の始まりにこの場所を訪れたことは、私にとって忘れられない思い出です。

宗教に詳しくない方でも、静かな祈りの空気や美しい聖域の景色に触れ、心に残る時間を過ごせると思います。

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