2025年9月7日、2泊3日のルルド観光を終え、カミーノ・デ・サンティアゴの出発地、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ向かいました。
ルルドでの観光や宿泊については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ルルド観光2泊3日|見どころ・行き方・ろうそく行列を実体験フランス・ルルドを2泊3日で訪れた体験記です。聖母マリアが現れたとされるマサビエル洞窟や奇跡の泉、ろうそく行列、ルルド聖域の見どころ、アクセス、宿泊、実際に感じた巡礼地の雰囲気まで詳しく紹介します。 ガヴァルニー圏谷をルルドから日帰り|世界遺産の絶景ハイキングルルドからガヴァルニー圏谷へローカルバスで日帰りした体験を紹介。2025年9月のバス時刻・運賃、滝までのハイキング、服装・持ち物、注意点を写真とともに詳しく解説します。
翌日から約800kmの巡礼が始まるため、この日は移動と準備が中心でした。
この記事では、ルルドからサン・ジャン・ピエ・ド・ポーまでの列車移動、バイヨンヌでの乗り換え、巡礼事務所での受付、アルベルゲでの準備、出発前夜の街歩きや夕食まで、私が実際に過ごした0日目の様子を紹介します。
出発前の準備について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
カミーノ・デ・サンティアゴ出発前の準備まとめ|ルート選びから必要な手続きまで2025年にカミーノ・デ・サンティアゴのフランス人の道を歩く前に行った準備をまとめました。ルート選び、クレデンシャル取得、航空券や宿の手配、不安だったことなど、出発前に知っておきたい情報を紹介します。
ルルドからサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ列車で移動
ルルドからサン・ジャン・ピエ・ド・ポーまでは、途中バイヨンヌで乗り換えて向かいました。
移動スケジュール
| 時刻 | 区間 |
|---|---|
| 11:24 | ルルド発 |
| 13:00 | バイヨンヌ着 |
| 14:20 | バイヨンヌ発 |
| 15:21 | サン・ジャン・ピエ・ド・ポー着 |
私が2025年9月に利用した際の運賃は、21.38ユーロでした。



バイヨンヌで少しだけ街歩き
乗り換えまで1時間20分ほどあったので、駅から歩いてグラン・バイヨンヌ(旧市街)へ向かいました。

バイヨンヌはバスク地方の美しい街で、旧市街まではバイヨンヌ駅から15分ほどで歩いて行くことができます。
街中には公共交通機関も走っていました。


まず訪れたのはサント・マリー大聖堂(Cathédrale Sainte-Marie de Bayonne)です。
サント・マリー大聖堂は、「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」を構成する世界遺産の一つです。
外壁や一部の場所は修繕工事中で、見ることはできませんでしたが、聖堂の内部には入ることができました。

ステンドグラスや内部の装飾が印象的で、差し込む光が聖堂内をやさしく照らしていました。


静かな聖堂内は落ち着いた空気が流れ、翌日から始まる巡礼を前に気持ちが少し引き締まりました。
バイヨンヌではチョコレート専門店やショコラトリーをいくつか見かけました。
事前にいくつかお店を調べていたのですが、この日は日曜日で閉まっているお店が多く、最終的にLUCASというベーカリーでホットチョコレート(3.9ユーロ)を注文しました。

甘すぎず、カカオの香りが豊かで、とても美味しかったです。

巡礼者でいっぱいだったサン・ジャン・ピエ・ド・ポー行きの列車
バイヨンヌから乗った列車は2〜3両編成の小さなローカル列車でした。

車内を見渡すと、大きなバックパックを背負った人ばかりでした。

私の周りでは多くの乗客が巡礼者で、「いよいよ始まるんだ」という実感が一気に湧いてきました。
国籍も年齢もさまざまでしたが、同じ目的地へ向かう仲間という独特の一体感があり、車内では「どこから来たの?」と会話をしている人達もいました。

巡礼事務所で受付をする
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーに到着したら、まず向かったのが巡礼事務所です。

ここでは翌日から巡礼を始めるための受付を行います。
一人(または1グループ)あたりの説明に10~15分程度かかりますが、担当者は4~5人程度の少数なので、巡礼事務所の前には受付を待つ列ができていました。
受付は担当者ごとに言語が分かれていて、英語・フランス語・スペイン語など、自分が分かる言語の窓口へ案内されました。

ピルグリム・パス(Pilgrim Pass)の登録
受付の順番を待っている間に、スマートフォンで「ピルグリム・パス(Pilgrim Pass)」を登録しました。
アルベルゲなどでの受付をスムーズにするための新しいシステムとして、2025年9月に私が訪れた際には案内されていました。
巡礼事務所のドアに登録ページに繋がるQRコードが掲示されています。

私が登録した際は、名前や国籍、パスポート番号などを入力しました。
ピルグリム・パスの登録ページ
PilgrimPass – Panel de administraciテウn
最後に手書き署名を入力するのですが、これが入力しづらく、手間取りました。
日本にいるうちに落ち着いて登録しておくと、楽だと感じました。
登録が完了するとメールが届くので、添付されているQRコードを保存しておくと便利です。
実際、私の巡礼中にピルグリム・パス(QRコード)を提示する機会は多くありませんでしたが、提示を求められたアルベルゲもありました。
クレデンシャルの準備や持ち物など、出発前にやっておきたいことはこちらの記事にまとめています。
カミーノ・デ・サンティアゴ出発前の準備まとめ|ルート選びから必要な手続きまで2025年にカミーノ・デ・サンティアゴのフランス人の道を歩く前に行った準備をまとめました。ルート選び、クレデンシャル取得、航空券や宿の手配、不安だったことなど、出発前に知っておきたい情報を紹介します。
受付の流れ
順番になると、翌日のルートや注意事項について説明を受けます。
まず、クレデンシャル(巡礼手帳)に最初のスタンプを押してもらいました。

私は、日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会が発行しているクレデンシャルを日本で入手して持参しました。
私を担当してくれた受付の方が、クレデンシャルを見て「日本の美しいクレデンシャルだね!貰ってもいい?」と冗談まじりに話をしてくれました。
クレデンシャルの取得方法や巡礼前の準備については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カミーノ・デ・サンティアゴ出発前の準備まとめ|ルート選びから必要な手続きまで2025年にカミーノ・デ・サンティアゴのフランス人の道を歩く前に行った準備をまとめました。ルート選び、クレデンシャル取得、航空券や宿の手配、不安だったことなど、出発前に知っておきたい情報を紹介します。
その後、以下の資料を受け取り、それらを見ながら説明を受けました。
①アルベルゲ一覧と詳細の冊子(フランス人の道)



②主要な街の高低差・距離を示した一覧


カミーノアプリを主に利用して、この資料はあまり使用していないという人もいますが、私はかなり活用しました。
後に、パンプローナやレオンなど、別の街から巡礼を開始した巡礼仲間に聞いたところ、これらの資料は受け取っていませんでした。
少なくとも私が2025年9月に訪れたサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの巡礼事務所では、これらの資料を受け取ることができました。
翌日は、私にとって最初の大きな山場となるピレネー山脈越えです。
初日のルートについては、写真付きで資料をいただきました。
迷いやすい場所や給水ポイント・トイレなどについて、説明していただきました。
③ピレネー山脈越えの地図

初日のアルベルゲの予約について
カミーノ1日目は、ロンセスバージェス(Roncesvalles)を宿泊地にする計画を立てていました。
私が2025年9月に訪れた際には、巡礼事務所で「Roncesvalles Pilgrims’ Hostel」の事前予約を勧められました。
ただ、教えてもらった予約サイトから手続きをしましたが、うまく予約できませんでした。
私の場合は予約完了メールが届かなかったため、予約が完了していないと判断しました。
最終的に予約なしでも宿泊できましたが、同じように予約フォームの利用に苦戦している巡礼者も何人か見かけました。
詳細や予約は、「Roncesvalles Pilgrims’ Hostel公式サイト」をご確認ください。
巡礼中の宿泊事情については、以下の記事で詳しくまとめています。
カミーノのアルベルゲとは?実際に泊まって感じた設備や注意点カミーノ・デ・サンティアゴのアルベルゲについて、設備や料金、チェックイン、予約方法、防犯対策、ドミトリーの様子を実体験をもとに紹介。43日間宿泊して感じたことや、おすすめのアルベルゲも紹介します。
順番待ちの間に荷物を計量
巡礼事務所には、吊り下げ式の計量器があります。
自分の荷物の重さを確認できます。

私のバックパックは11.4kg。
「やっぱり重いかな」と思いながらも、このときはまだ800km歩く大変さを想像できていませんでした。
この重量が後々どれほど体に影響するのかを知るのは、まだ先のことです。
このときは問題ないと思っていましたが、結果的には重すぎました。
実際に43日間歩いて感じた持ち物や荷物の重さについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【実体験】カミーノ巡礼の持ち物・荷物・装備完全ガイド|1000km歩いた私のおすすめ装備カミーノ・デ・サンティアゴを43日間、約1,000km歩いた実体験をもとに、持ち物を詳しく紹介。必須アイテムや便利だったもの、荷物を軽くするコツ、途中で買い替えた装備、失敗・反省点までまとめました。
巡礼のシンボル「ホタテ貝」を入手
巡礼事務所内では、カミーノ巡礼のシンボルである「ホタテ貝」を入手することができます。
私が訪れた際は寄付制で、巡礼事務所内の棚から自由に選んで受け取ることができました。
私は2.5ユーロを寄付して、ホタテ貝を入手しました。
麻紐が付いていて、バックパックなどに取り付けやすい形になっていました。


アルベルゲへチェックイン
受付を終えたら、この日の宿であるアルベルゲへ向かいました。
私は、「Gîte Le Chemin vers l’Etoile」というアルベルゲに宿泊しました。

パスポートの確認やクレデンシャルのスタンプ、アルベルゲの説明などを一人ひとりに行うため、チェックインには時間がかかりました。
チェックインを待っている間に他の巡礼者たちと話をしていました。
私の荷物が11kgを超えているという話をすると、いらない荷物があるなら、サンティアゴ・デ・コンポステーラに送った方がいいと言われました。
カミーノを歩いたことがあるという女性の荷物は6~7kgと言われていて、自分の荷物がかなり重く感じられました。
少し不安になりましたが、「ピレネー山脈越えができたらその後も歩けるかも」と楽観的に考え、荷物はそのまま持って行くことにしました。
私の受付の順番が回ってきて、クレデンシャルを出すと、「みんな!これが世界で一番美しいクレデンシャルだよ!」と受付を待っている他の人にも伝えてくれました。
日本から持ってきたクレデンシャルを褒めてもらえたことが、とても嬉しく、巡礼への緊張が少し和らぎました。
ベッドシーツを受け取って、ベッドを整え、翌日の準備を済ませると、いよいよ巡礼が始まるという実感が湧いてきます。
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの街を散策
アルベルゲでは、シンガポールから来たご夫婦と知り合いました。
受付の待ち時間に話をしているうちに意気投合し、「一緒に夕食を食べに行こう」と誘ってくれました。
夕食まで少し時間があったため、3人でサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの石畳の街並みを歩き、城壁やサン・ジャン・ピエ・ド・ポーのシタデル(Citadelle)まで散策することにしました。
巡礼の街ならではの雰囲気を楽しむ
サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの街は、フランス人の道の代表的なスタート地点として知られ、多くの巡礼者でにぎわっていました。

街のあちこちには、カミーノ巡礼のシンボルであるホタテ貝や杖をモチーフにした装飾があり、「巡礼の街」に来たことを実感します。

また、私は立ち寄っていませんが、アウトドア用品店もいくつかあるため、不足している装備があればここで補充することもできます。



城壁とサン・ジャン・ピエ・ド・ポーのシタデル(Citadelle)
城壁へは階段で上ることができ、一部を歩いて見学できます。

迷路のような城壁で、思ったよりも長かったです。

歩いていると、「昆虫ホテル(インセクトホテル)」を発見しました。
昆虫のために人工的につくられた住まいや営巣場所のことで、実物を見るのは初めてで、思わず足を止めてしまいました。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーのシタデル(Citadelle)は、城壁よりも高い場所にあり、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーの街を一望することができます。


夕方のやわらかな光に照らされた街はとても美しく、翌日から始まる巡礼への期待がどんどん高まりました。

巡礼前夜は一緒に夕食へ
散策のあと、そのまま3人でCafé de la Paixへ向かいました。

夕食は、3人で3品注文し、一人あたり17ユーロになりました。
量が多く食べきれなかったため、残ったピザは持ち帰ることにしました。
翌日、ロンセスバージェスでの夕食として美味しくいただきました。

一人で参加したカミーノでしたが、その最初の出会いがこのご夫婦でした。
お互いの国のこと、これまでの旅行の話などをしながらゆっくり食事を楽しみました。
2人はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーに2泊し、カミーノ初日もロンセスバージェスではなくオリソン(Orisson)に泊まる予定だったため、私とは歩くペースや日程が異なりました。
その後もカミーノ中に連絡を取り合い、お互いにおすすめの場所や楽しかった思い出を共有しました。
カミーノでは、このような自然な出会いが何度もありました。巡礼中に出会った人たちとのエピソードは、以下の記事で紹介しています。
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明日はいよいよピレネー越え
夕食を終えると、翌日は早朝出発です。
荷物を最終確認し、目覚ましをセットして10時半ごろにはベッドへ入りました。
翌日は、いよいよピレネー山脈越え。サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから歩き始める私にとって、最初の大きな山場です。
そして翌日、いよいよ約800kmの巡礼が始まります。
このときは期待の方が大きく、「きっと歩き切れる」と、どこか根拠のない自信さえ持っていました。
しかし、その先に想像以上に過酷で、それ以上に忘れられない日々が待っているとは、まだ知る由もありませんでした。
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