2025年9月、カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」巡礼5日目。
この日はプエンテ・ラ・レイナからエステージャまで約21.9kmを歩きました。
前日に比べるとアップダウンが少なく、比較的歩きやすいコースでした。
一方で、「今日は一人で歩こう」と思っていたにもかかわらず、歩き始めると自然と巡礼仲間が集まり、この日も世界各国の巡礼者と一緒に歩くことになりました。
寄付制アルベルゲでの共同生活やミサ、コミュニティディナーなど、カミーノならではの交流を楽しんだ一日です。
前日にパンプローナからプエンテ・ラ・レイナまで歩いた様子は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カミーノ フランス人の道 4日目|パンプローナからプエンテ・ラ・レイナへ|風車の丘を越えてカミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」4日目の体験記です。パンプローナからプエンテ・ラ・レイナまで約24kmを歩き、アルト・デル・ペルドンの風車や麦畑、アルベルゲでの自炊、巡礼者との交流を紹介します。
巡礼5日目のルート・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発地 | プエンテ・ラ・レイナ(Puente la Reina) |
| 到着地・宿泊地 | エステージャ(Estella) |
| 距離 | 約21.9km ※カミーノアプリ「Camino Ninja」より |
| 歩行時間 | 約6時間(休憩含む) |
| 天候 | 曇り |
| 宿泊施設 | Albergue parroquial San Miguel de Estella |
ウォーキングアプリの記録です。
休憩時間を含むため、実際の歩行時間とは多少の誤差があります。

この日の体調
足のまめはまだ痛みが残っていましたが、数日前から気になっていた股関節の痛みはかなり落ち着いてきていました。
体は少しずつ長距離を歩くことに慣れてきたように感じ、前日までよりも安心して歩けそうだと思っていました。
5日目のポイント
朝食を食べてエステージャへ出発
朝はアルベルゲで、インスタントのみそ汁とバナナ、そして前日に台湾人のリンからもらったスモモを食べて出発しました。
日本から持参したインスタントのみそ汁は、旅の途中でほっとできる貴重な存在でした。
この日は「今日は一人で歩いてみよう」と考えていました。
カミーノでは誰かと歩く時間も楽しいですが、一人で景色を眺めたり、自分のペースで考え事をしたりする時間も過ごしてみたいと思っていたからです。
一方で、前日の夜にはエマとルーカスと翌日の予定を話し合い、エステージャでは寄付制アルベルゲ「Albergue parroquial San Miguel de Estella」に泊まることを計画していました。
そこで、この日は朝8時前にエマと一緒にアルベルゲを出発しました。
今日も自然と仲間が集まり、一緒に歩くことに
エマと歩き始めると、途中でリンと再会し、さらにルーカスも合流しました。
その後、オーストラリア人の男性や中国人女性も加わり、気が付けば5~6人ほどのグループになっていました。
「今日は一人で歩こう」と思っていたはずが、結局この日もみんなと歩くことになりました。

空は少し曇っていましたが、雨は降っておらず、暑すぎず寒すぎず歩きやすい天気でした。

この区間は急なアップダウンも少なく、前日までよりも体への負担は軽く感じました。
もちろん全員の歩くペースは違うため、常に固まって歩いていたわけではありません。
先に進む人もいれば、休憩を長めに取る人もいて、途中で離れたり再び合流したりを繰り返しながら、それぞれのペースでエステージャを目指しました。

寄付(ドナティーボ)のスタンドやブラックベリーとの出会い
道中では、寄付(ドナティーボ)で利用できるフルーツや飲み水のスタンドを見つけました。
私が歩いた区間では、このように巡礼者のために食べ物や飲み物が用意されている場所を何度か見かけました。
利用した人は、気持ちに応じて寄付をする仕組みです。

歩いている途中には、エマが道端でブラックベリーを見つけました。
「食べられるよ」と言いながら実を摘み、みんなにも分けてくれました。
その場で食べるブラックベリーは甘酸っぱく、歩き疲れた体にぴったりのおやつでした。

途中では放牧されているヤギの姿も見かけ、のどかな景色に癒やされます。

休憩ではコーヒーやフルーツジュース、シリアルバーを買ってエネルギー補給をしました。
また、聖母被昇天教会(Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción)では巡礼スタンプもいただきました。


毎日スタンプが増えていく巡礼手帳を見るたびに、少しずつ前へ進んでいることを実感できるのもカミーノの楽しみの一つです。

寄付制アルベルゲ「Albergue parroquial San Miguel de Estella」に宿泊
歩きながら宿の話になり、エマ、ルーカス、私の3人がパンプローナで宿泊した寄付制アルベルゲのことを話しました。
前日に泊まった寄付制アルベルゲのコミュニティディナーや温かい雰囲気がとても印象に残っていたため、その話をすると、リンも「私も寄付制アルベルゲに泊まってみたい」と興味を持ってくれました。
リンはもともとエステージャでは別のアルベルゲを予約していましたが、最終的には予約をキャンセルし、私たちと一緒にその寄付制アルベルゲへ向かうことになりました。
パンプローナで宿泊したアルベルゲについてはこちらの記事でも紹介しています。
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アルベルゲへ到着すると、すでに受付待ちの長い列ができていました。
「泊まれるかな」と少し心配になりましたが、無事に全員分のベッドを確保できました。
この日は、一緒に歩いた中国人女性だけが別の宿に宿泊し、それ以外のメンバーは同じアルベルゲに泊まりました。
受付待ちをしている間には、後に何日も一緒に歩くことになるアメリカ人のイーサン(仮名・20代男性)とも出会いました。
イーサンはスペインで英語教師として2年間働いていたそうで、スペイン語も流暢に話していました。
オスピタレロがスペイン語で宿泊者へ説明をした際、イーサンが英語へ通訳してくれたおかげで、多くの巡礼者が内容を理解することができました。
アルベルゲは男女別の部屋でしたが、私が泊まったときは男性部屋が満室だったためか、一部の男性巡礼者が女性部屋で宿泊していました。
アルベルゲの設備や宿泊の流れについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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アルベルゲでコーヒーとおやつタイム
シャワーを浴びて洗濯を済ませ、アルベルゲで休憩していると、ルーカスが声を掛けてくれました。
「コーヒーを淹れたけど少し余っているから飲む?」
ルーカスは、エスプレッソメーカーをバックパックに入れて持ち歩いていました。
歩く荷物を少しでも減らしたい巡礼者が多い中、エスプレッソメーカーまで持ち歩いていることには驚きました。
淹れたてのコーヒーをごちそうになり、ゆったりとした時間を過ごします。
また、オスピタレロが作ってくれたドーナツもいただきました。

エステージャの街散策
その後、16時過ぎくらいから街を散策しました。
歩いていると、この数日間で知り合った巡礼者と何度もすれ違い、挨拶を交わします。
数日前までは知らなかった人たちなのに、顔を見かけると自然と声を掛け合える関係になっていることが、とても不思議で嬉しく感じました。

サン・ペドロ・デ・ラ・ルア教会(Iglesia de San Pedro de la Rúa)は、エステーリャの歴史を感じられる教会の一つです。

ファサードの細やかな装飾がとても綺麗でした。

教会でクレデンシャルにスタンプをもらっていると、ルーカスも教会にやってきて、一緒に教会の中を見学しました。



あとから、この教会は中庭(回廊)が有名だと知ったのですが、見学したときには気付かず、そのまま帰ってしまいました。
少し心残りではありますが、それも旅らしい思い出です。
サン・フアン・バウティスタ教会でのミサ
18時からサン・フアン・バウティスタ教会(San Juan Bautista Church)でミサがあると聞き、巡礼仲間たちと参加することにしました。

アルベルゲ主催の巡礼者ミサには参加したことがありましたが、このような地元の方も大勢集まる大きなミサに参加したのは、この日が初めてでした。
ミサの途中で、エマがミサの流れや作法について、小さな声で説明してくれました。
例えば、献金の時間になっても、必ずしもお金を入れなければいけないわけではないこと。
また、聖体拝領についても、私のようにカトリック信者ではない人は、無理に参加せず席で待っていればよいとエマが教えてくれました。
事前に教えてもらえたおかげで戸惑うことなく参加でき、カトリックのミサや文化への理解が少し深まったように感じました。
この日は地元の少女のお葬式も兼ねたミサだったため、私が参加したミサは1時間以上続きました。
コミュニティディナーで感じた家族のような温かさ
この日のアルベルゲでのコミュニティディナーは19時からでした。
ミサが終わった時点で19時を過ぎていて、急いでアルベルゲへ戻り、コミュニティディナーに参加しました。
食事はアルベルゲの外に並べられた長机でいただきました。
この日のメニューはサラダ、豆のスープ、パン、ワイン、そしてデザートにスイカ。


シンプルな食事でしたが、大勢で囲む食卓はとても温かい雰囲気でした。
巡礼中の食事や自炊については、こちらの記事で詳しくまとめています。
カミーノ・デ・サンティアゴの食事事情|自炊・食費・名物を紹介カミーノ・デ・サンティアゴの食事事情を実体験から紹介。朝食・昼食・夕食の内容、自炊、携帯食、スーパー、巡礼メニュー、スペインの名物料理まで詳しく解説します。
食後は巡礼者の中からボランティアを募って後片付けをします。
私はエマ、リン、イーサンと4人で皿洗いを担当しました。
洗い物をしながら、私は思わず
「なんだか祖父母の家に遊びに来て、お手伝いをしている孫たちみたいな気分だね。」
と言うと、みんなも笑いながら「本当にそうだね」と共感してくれました。
国籍も年齢も違う私たちでしたが、このときはまるで昔から知っている家族のような温かさを感じました。
一人で歩く巡礼の旅を想像していた私でしたが、この頃には「誰かと一緒に過ごす時間」もカミーノの大きな魅力なのだと、自然に感じるようになっていました。
まとめ|一人で歩くつもりが、人とのつながりを改めて感じた一日
カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」5日目は、前日までよりもアップダウンが少なく、比較的歩きやすい一日でした。
それ以上に印象に残ったのは、エステージャまでの道中やアルベルゲで深まっていった巡礼仲間との交流です。
寄付制アルベルゲでの共同生活やミサ、コミュニティディナーを通して、国籍や年齢を超えて助け合いながら過ごすカミーノならではの温かさを実感しました。
朝は「今日は一人で歩こう」と思っていたのに、気付けば仲間と一緒に歩き、食事をし、最後はみんなで皿洗いまでしていました。
一人で歩く時間が好きな私ですが、誰かと一緒に過ごす時間もカミーノの大きな魅力なのだと感じるようになった一日です。
こうして少しずつ、カミーノで出会った仲間とのつながりが深まっていきました。
翌日は、「イラチェのワインファウンテン」を通り、ロス・アルコスを目指します。







