カミーノ フランス人の道 10日目|アゾフラからグラニョンへ|寄付制アルベルゲで過ごす特別な一日

スペイン

2025年9月、カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」巡礼10日目。

この日はアゾフラ(Azofra)からグラニョン(Grañón)まで約22kmを歩きました。

前日の休養日を経て、心も体もリフレッシュした状態で歩き始めることができました。

足の痛みも落ち着き、久しぶりに気持ちに余裕を持って歩けたことで、朝から夕方までたくさんの巡礼者との出会いを楽しめた一日になりました。

この日の目的地は、グラニョンにある有名な寄付制アルベルゲ。

予約ができず先着順のアルベルゲだったため、早めに到着できるよう朝から歩き始めました。

前日にナヘラからアゾフラまで歩いた様子は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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この日のルート

項目内容
出発地アゾフラ(Azofra)
到着地グラニョン(Grañón)
距離約22km
※カミーノアプリ「Camino Ninja」より
歩行時間約7時間半
※ウォーキングアプリの記録より
難易度★★☆☆☆
天候晴れ

ウォーキングアプリの記録です。

休憩時間を含むため、実際の歩行時間とは多少の誤差があります。

この日の体調
足のまめはかなり落ち着き、水ぶくれもほとんどなくなってきました。

暗闇の中の出発と朝焼け。そしてイーサンとの再会

アゾフラのアルベルゲを出発したのは6時半過ぎ。

出発前にインスタントのみそ汁とフルーツを食べ、まだ暗い道をヘッドライトを付けながら歩き始めました。

早朝のカミーノは静かで、空気はひんやりとしていて、聞こえるのは自分の足音と鳥の声だけ。

少しずつ空が明るくなり、朝焼けに染まる景色を見ることができました。

歩き始めて20分ほどすると、前方に2人の巡礼者が歩いているのが見えました。

一人は先へ進み、もう一人は道端で立ち止まっています。

近づいてみると、そこにいたのはアメリカ人のイーサンでした。

予定外の早朝ウォークで始まった一緒の時間

イーサンは、普段、アルベルゲをゆっくり出発するタイプの巡礼者でした。

また、前日にアゾフラのアルベルゲへ到着した時間が19時半頃と遅かったため、まだ寝ていると思っていました。

そのため、「今日はどうしてこんなに早く歩いているの?」と聞いてみました。

すると、2人部屋の相方のいびきが大きくて早朝に目が覚めてしまったとのこと。

思いがけない理由で早く出発したイーサンと、偶然同じ時間帯に歩いていた私。

そのままグラニョンを目指して一緒に歩くことになりました。

歩きながら、イーサンからスペインでの生活について話を聞きました。

彼は2年間スペインで英語教師をしていて、ちょうど契約期間が終了したタイミングで、スペインとの別れの旅としてカミーノを歩いているそうです。

ただ観光するだけではなく、その土地で暮らした時間を振り返りながら歩くカミーノ。

彼の話を聞いていると、巡礼には人それぞれの目的や物語があるのだと感じました。

シルエニャで朝の休憩

8時半頃、シルエニャ(Cirueña)のBar Jacobeで最初の休憩をしました。

コーヒーとクロワッサンをいただき、トイレ休憩。

歩き始めてまだそれほど時間は経っていませんでしたが、朝の冷たい空気の中を歩いた後の温かいコーヒーは格別でした。

その後歩いていると、私とイーサンがエステージャで出会ったスペイン人の巡礼仲間とも合流し、3人で歩くことになりました。

数日前には知らない者同士だった人たちが、同じ道を歩き続けることで自然と仲間になっていく。

これもカミーノならではの魅力だと思います。

エステージャでの様子は、こちらの記事で紹介しています。

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サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダでの寄り道と昼食

10時半頃、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダ(Santo Domingo de la Calzada)に到着しました。

ここで少し街を歩きながら、必要なものを探すことにしました。

私はログローニョのアルベルゲでレギンスを置き忘れてしまって以来、トレッキングパンツ1枚を洗濯しながら使い続けていました。

ログローニョを歩いた様子や街の雰囲気は、こちらの記事で紹介しています。

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そのため、スポーツ用品店のPlaneta Aguaでレギンスを探しました。

店内には、昨晩同じアルベルゲに泊まっていたスイス人女性もいて、彼女はサンダルを探していました。

しかし、残念ながら私に合うサイズは見つからず、購入は断念。

買い物を終えて外に出ると、一緒に歩いていたスペイン人巡礼者の姿がありません。

イーサンに聞いてみましたが、「気付いたらどこかへ行ってしまって、そのまま戻ってこなかったよ」と話していました。

11時半頃、このまま急いでグラニョンへ向かった方がいいのか迷っていました。

しかし、イーサンが「昼食を食べてから行こう」と提案。

Bocatería la Alamedaでレモネードとボカディージョを食べながら休憩しました。

イーサンとはエステージャで初めて会い、ログローニョやアゾフラのアルベルゲでも一緒になりました。

ただ、いつもアルベルゲに到着する時間は私よりかなり遅め。

私は「早く着いて休む」という歩き方しか考えていませんでしたが、イーサンのように途中でのんびり食事を楽しみながら歩くスタイルもあるのだと気付きました。

グラニョンの寄付制アルベルゲで広がる交流

昼食後、スーパーでシリアルバーなどの携帯食を購入し、再び歩き始めました。

13時半前にはグラニョンの寄付制アルベルゲ「Iglesia de San Juan Bautista」に到着。

アルベルゲには、過去に宿泊した日本人巡礼者が残してくれた日本語の案内がありました。

受付からコミュニティディナー、ミサ、翌朝の朝食までの流れが丁寧に書かれており、初めて宿泊する日本人巡礼者にとって、とても心強い案内でした。

アルベルゲについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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アルベルゲ近くのお店のテラス席で、リモートワークをしているルーカスと再会しました。

そして、リンにも再び会うことができました。

リンはいつも巡礼路の状況をリアルタイムで教えてくれる存在。

この日も「巡礼者が増えてきているから、急いだ方がいいかも」とメッセージをくれていました。

また、エマにもグラニョンのアルベルゲを紹介しましたが、彼女は寝袋を持っていませんでした。

このアルベルゲはベッドではなく、床に敷いたマットの上で寝るスタイル。

エマは「その環境では少し難しいかな」と別の街へ向かうことにしました。

穏やかに過ごした夕方

シャワーを浴び、洗濯を終えた後、リンに誘われて景色の良い場所へ散歩に行きました。

木陰で休みながら、お互い前日の出来事などを話します。

すると、リンが道の先を見ながら言いました。

「あの人、ナヘラのアルベルゲで一緒だった日本人女性じゃない?」

私は驚きました。

その女性とはアゾフラでも一緒でしたが、グラニョンまでは20km以上あります。

まさか同じ日に到着するとは思っていませんでした。

しかし、実際にその本人でした。

私がグラニョンに泊まると言っていたことを覚えていて、バスなどを利用して来たそうです。

受付まで案内し、手続きを手伝いました。

その後リビングルームに戻ると、オスピタレロが「昨晩の残り物があるから食べる?」と声をかけてくれました。

前日に残ったパスタとは思えないほどおいしく、オスピタレロの温かい心遣いがうれしく感じられました。


それから、ルーカスに誘われてアルベルゲからすぐ近くのカフェのテラス席へ。

ルーカスはコーラ、私はビールを飲みながら話をしました。

その後、日本人女性や初対面のスペイン人男性も加わり、自然と会話が広がっていきます。

日本人女性もスペイン人男性も60〜70代。

体力的には若い頃とは違う部分がありながら、それでもカミーノに挑戦している姿に、お互い共感するものがあったようでした。

さらにリンやイーサンも加わり、夕方の時間はとてもにぎやかになりました。

特に印象的だったのは、イーサンやルーカスがリンに「自分の名前を漢字で表すならどうなる?」と聞いていたこと。

リンは手帳をちぎり、それぞれの名前に合う漢字を書いて渡していました。

国籍が違っても、こうして互いの文化を楽しみながら交流できることがカミーノの魅力だと思います。

コミュニティディナーと、ろうそくの灯りに包まれた特別なミサ

夕食前には教会でミサに参加しました。

19時から30分ほどの静かな時間。

その後、20時からアルベルゲのコミュニティディナーに参加しました。

このアルベルゲのオスピタレロは全員女性で、みなさんとても明るく、温かい雰囲気の方たちでした。

ただ、英語を話すことができなかったため、コミュニティディナーやミサの際には、イーサンがスペイン語から英語へ通訳して、内容を私たち巡礼者に伝えてくれました。

ここでも、言葉の壁を越えて巡礼者同士が自然に助け合う場面を見ることができました。

この日の夕食は、宿泊していたデンマーク人の巡礼者がボランティアで担当してくれました。

サラダ、パン、パスタ、ワインが振舞われました。

寄付制アルベルゲで初めてコミュニティディナーを体験した日の様子はこちらの記事で紹介しています。

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さらに夜9時半頃、宿泊室の奥にある、普段は気付かないような扉を開けると、教会のバルコニーへと続いていました。そこで、特別なミサが行われました。

最初は参加する予定ではありませんでした。

しかし、まるで隠し扉のような場所から巡礼者たちが教会へ向かう姿を見て、私も後をついていくことにしました。

ろうそくの灯りだけが照らす教会の中で、静かに祈りを捧げる時間。

昼間のにぎやかな交流とはまた違う、カミーノらしい特別な夜になりました。

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まとめ:グラニョンで感じたカミーノの温かさ

カミーノ10日目は、約22kmを歩き、多くの出会いと思い出が詰まった一日でした。

前日に思い切って休養日を取ったことで、心身ともにリフレッシュできたことも、この日を心から楽しめた大きな理由だったと思います。

イーサンと一緒に歩いたり、リンやルーカスとの再会、そして寄付制アルベルゲでの新しい出会い。

偶然出会った人と一緒に歩いたり、ゆっくり休憩したり、その土地でしか生まれない時間を楽しむことも巡礼の大きな魅力なのだと感じました。

さらに、寄付制アルベルゲで食事を共にし、祈りの時間を過ごしたことで、「巡礼者はみんな家族」という言葉の意味を少しだけ実感できた一日でもありました。

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