カミーノ・デ・サンティアゴで出会った人たち|43日間歩いて感じた人とのつながり

スペイン

カミーノ・デ・サンティアゴを歩いてみたいと思っている方の中には、「どんな人たちが歩いているの?」「一人で参加しても友達はできる?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

私も出発前は、海外の巡礼路ということもあり、「一人で歩いても大丈夫かな」と少し不安に感じていました。

私が実際に歩いた43日間の全体像は、以下の記事で詳しく紹介しています。

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しかし、実際に歩いてみると、世界中から集まった巡礼者との出会いは、景色や街並みと並ぶカミーノの大きな魅力でした。

この記事では、私が実際に出会った巡礼者たちや、なぜカミーノを歩くのか、そして歩き終えた今だから感じることをご紹介します。

理由は人それぞれですが、どんなきっかけであっても、お互いの理由を尊重し合う雰囲気があることも、カミーノならではの魅力だと感じました。

世界中から巡礼者が集まるカミーノ

カミーノ・デ・サンティアゴを歩いていて驚いたのは、本当に世界中から巡礼者が集まっていることでした。

アルベルゲで食事をしていると、隣にはドイツ人、その向かいには韓国人、さらに別のテーブルにはブラジル人ということも珍しくありません。

国籍や年齢、職業もまったく異なる人たちが、同じ「サンティアゴを目指す」という目的で歩いている光景は、カミーノならではの魅力だと感じました。

年齢層も幅広く、私が出会った巡礼者は20代から70代までさまざまでした。

特に多いと感じたのは50〜60代と20〜30代前半です。サリア以降では子ども連れの家族も見かけましたが、私が歩いていた期間には10代の巡礼者とは出会いませんでした。

私が43日間の巡礼(フランス人の道、フィステーラとムシアの道、ポルトガル人の道)で出会った主な国は次のとおりです。

多く出会った国

ヨーロッパ

  • スペイン
  • フランス
  • イタリア
  • ドイツ
  • イギリス
  • ポルトガル

北米

  • アメリカ
  • カナダ

オセアニア

  • オーストラリア

アジア

  • 韓国
  • 台湾
  • 中国

毎日のように顔を合わせる巡礼者の多くは、これらの国の出身でした。特にヨーロッパ各国からの巡礼者が多く、さまざまな言語が飛び交っていました。

その他の国の巡礼者たち

一方で、人数はそれほど多くありませんでしたが、次の国の巡礼者とも出会いました。

ヨーロッパ

  • オランダ
  • スウェーデン
  • デンマーク
  • チェコ
  • ポーランド
  • スイス
  • ロシア
  • ウクライナ

中南米

  • メキシコ
  • アルゼンチン
  • ブラジル
  • ベネズエラ

アフリカ

  • 国名不明

オセアニア

  • ニュージーランド

アジア

  • 日本
  • シンガポール
  • タイ
  • ベトナム

また、会話をする機会はありませんでしたが、アフリカ大陸から来た巡礼者や、タイ、ベトナムからの巡礼者の姿も見かけました。

毎日歩いているだけで、これほど多くの国や地域の人たちと自然に出会える機会は、なかなかありません。

もちろん、私が出会った国は歩いた時期やルートによる違いもあると思いますが、「世界中から巡礼者が集まる」ということを実感した43日間でした。

巡礼仲間と話していると、「いろいろな国の人と出会いたいなら、カミーノに来るべきだよ」という話題になることがよくありました。

歩き始めた頃は実感が湧きませんでしたが、43日間歩き終えた今では、その言葉は決して大げさではなかったと感じています。

ヨーロッパや北米、南米、アジア、オセアニアなど、本当にさまざまな国の人と出会えたことは、私にとってカミーノならではの大きな魅力でした。

カミーノ全体の流れについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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思った以上に東アジアからの巡礼者が多かった

歩く前は、アジアから来る巡礼者はあまり多くないと思っていました。

しかし実際には、韓国や台湾、中国など東アジアからの巡礼者が想像以上に多く、「こんなに歩いている人がいるんだ」と驚きました。

特に韓国人はツアーで参加している人も多く、台湾から来ている巡礼者にも何人も出会いました。

同じアジア圏ということもあり、食文化や旅の話で盛り上がることも多く、親近感を覚える場面がたくさんありました。

一方、日本人は巡礼全体を通して10人ほどと、それほど多くはありませんでした。

出会った日本人の多くは50代以上で、私が歩いていた時期には20〜30代の日本人巡礼者には出会いませんでした。

日本人に出会うと、お互いに嬉しくなり、情報交換をしたり、一緒に食事をしたりすることもありました。

最初の5日間で出会った仲間と最後まで歩いた

カミーノでは、毎日何十人もの巡礼者とすれ違います。

そのため、「一人で黙々と歩いて、毎日違う人と話す旅になるのかな」と思っていました。

しかし実際には、フランス人の道で巡礼を始めて最初の5日間で出会った仲間たちと、その後の巡礼の大半を一緒に過ごすことになりました。

出会った日国籍年代一緒に歩いた場所
1日目フランス20代(女性)サンティアゴ・デ・コンポステーラ
3日目ドイツ40代(男性)レオン(怪我で帰国)
4日目台湾20代(女性)ムシア
5日目アメリカ20代(男性)ムシア

その後も、14日目に出会った20代のドイツ人男性や、23日目に出会ったイタリア人の両親を持つベネズエラ出身の30代男性など、新しい仲間が加わりました。

さらに、その仲間たちと行動を共にすることも多かったドイツ人女性やアメリカ人女性、韓国人女性なども加わり、国籍も年齢も異なる人たちと過ごした時間は、私の巡礼をより思い出深いものにしてくれました。

毎日必ず全員で歩いていたわけではありません。

歩くペースも違えば、泊まるアルベルゲが違う日もありました。

それでもメッセージアプリで連絡を取り合い、少なくとも数日おきには会っていました。

そんな日々を繰り返しているうちに、自然と「カミーノファミリー」のような存在になっていました。

後から他の巡礼者に聞くと、「最初の週に出会った仲間と最後まで一緒に歩くのは珍しいよ」と驚かれることもありました。

だからこそ、私にとって最初の数日間の出会いは、その後の巡礼を大きく左右する特別なものになりました。

喧嘩をすることなく、それだけ長い時間を一緒に過ごせたことは、とても幸運だったのだと思います。

想像以上に人との交流が多い毎日

カミーノを歩く前は、一人で静かに歩く時間が多い旅を想像していました。

しかし実際には、そのイメージとはまったく違いました。

特に最初の1〜2週間は、次々と新しい巡礼者と出会い、英語で会話をしたり、一緒に食事をしたりする毎日に圧倒され、「楽しいけれど少し疲れた」と感じることもありました。

アルベルゲのコミュニティディナーでは、さまざまな言語が飛び交っていました。

また、自己紹介や「なぜカミーノを歩いているのか」を一人ずつ話すような交流の場もありました。

歩いている時間だけでなく、アルベルゲや食事中も誰かと過ごすことが多く、一日中会話が続く日も珍しくありませんでした。

出発前は「本でも持って行こうかな」と考えていましたが、実際には歩いて、洗濯をして、食事をし、人と話しているうちに、一日があっという間に終わります。

スマートフォンを見る時間もほとんどないほど、毎日が充実していました。

多くの巡礼者が口をそろえて話していたのは、「カミーノで一番思い出に残るのは人との出会い」ということです。

最初は少し大げさだと思っていましたが、43日間歩き終えた今では、その言葉に心から共感しています。

美しい景色や歴史ある街並みももちろん魅力ですが、それ以上に、世界中から集まった人たちと笑い、励まし合い、同じ時間を過ごしたことが、私にとって何より忘れられない思い出になりました。

アルベルゲでの生活やコミュニティディナーについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

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なぜカミーノを歩くのか

歩きながら多くの人と話していると、カミーノを歩く理由は本当にさまざまでした。

特に多かったのは、「仕事を辞めたタイミングで来た」「人生の節目に挑戦したかった」という人たちです。

また、「人生で一度くらい大きなことを成し遂げてみたかった」という理由を話してくれた人も少なくありませんでした。

人生の節目

転職や退職、子育ての一区切りなど、人生の節目に歩いている人もいました。

「人生を整理したい」

「これから何をしたいか考えたい」

そんな理由で歩いている人も少なくありませんでした。

信仰

私が歩いていた印象では、人生の節目や旅を目的とする人の方が多く感じましたが、もちろん本来の巡礼として信仰を目的に歩く人もいました。

自分を見つめ直すため

忙しい日常から少し離れ、自分自身と向き合う時間を求めて歩く人もいました。

毎日何時間も歩くカミーノでは、自然と考え事をする時間が増えます。

その時間が人生を見つめ直すきっかけになるのかもしれません。

純粋に旅が好きだから

意外と多かったのが、「ただ歩いてみたかった」という人です。

美しい景色を見ながら歩くことが好き。

世界中の人と交流してみたい。

そんなシンプルな理由も、十分立派な巡礼のきっかけなのだと感じました。

印象に残った巡礼者たち

43日間歩いていると、本当にさまざまな巡礼者と出会いました。

年齢も国籍も歩き方も人それぞれで、「こんな人までいるんだ」と驚くことも少なくありませんでした。

例えば、こんな巡礼者がいました。

  • 何度もカミーノを歩いている人
    フランス人の道だけでなく、北の道やポルトガル人の道など、複数のルートを歩いた経験がある人もいました。「今回は〇回目」という話を聞くたびに、カミーノの奥深さを感じました。
  • 自分の国から歩いてきた人
    オランダから少しずつ区間を分けて歩き続けているご夫婦や、スイスから歩いてきた70代の女性にも出会いました。「家からサンティアゴまで歩く」というスケールの大きさには本当に驚きました。
    話を聞くと、ヨーロッパ各地にはサンティアゴへ続く巡礼路があり、地域によってはカミーノを示す黄色い矢印も整備されているそうです。
  • 親子で歩く人
    印象的だったのは、親子で巡礼をしている人たちです。
    ある父親は一人で歩く予定だったそうですが、出発地のサン・ジャン・ピエ・ド・ポーに着くと、すでにカミーノ経験のある息子さんがサプライズで待っていて、そのまま一緒に歩き始めたという話を聞きました。
    また、自分が以前歩いて感動したからと、今度は母親を連れて同じ道を歩いている巡礼者にも出会いました。
    親子で同じ体験を共有する姿はとても印象的で、「また大切な人と歩きたい」と思わせる魅力もカミーノにはあるのだと感じました。
  • ウクレレを持って歩く人
    大きな荷物になるにもかかわらず、ウクレレを背負って巡礼をしている人もいました。歩きながら演奏が始まると、自然と人が集まり、その場が温かい雰囲気に包まれていました。
    「Take Me Home, Country Roads」を演奏してくれて、すごくいい気分になりました。
  • 1日に40km以上走るように巡礼する人
    歩くだけでも大変な道を、毎日40kmほど走りながら進んでいる人もいました。同じ巡礼でも、こんなスタイルがあるのかと驚かされました。

このように、歩き方も楽しみ方も本当に人それぞれです。

だからこそ、「これが正しい巡礼」という形はなく、自分らしいスタイルで歩けることもカミーノの魅力なのだと思います。

国籍によって少し雰囲気が違った

これはあくまで私が歩いた中で感じた印象ですが、国によって少しずつ雰囲気の違いも感じました。

計画を立てて歩く人やグループでにぎやかに歩く人、一人で静かに歩く人など、それぞれ特徴があるように思いました。

例えば、フランスやイタリアの巡礼者は家族や友人同士で歩いている人が比較的多く、韓国からはツアーで参加している人も見かけました。

一方、一人で歩いている人も多く、歩き方や過ごし方は本当にさまざまでした。

もちろん個人差は大きく、「○○人だからこう」というわけではありません。

それでも、いろいろな文化や価値観に触れられたことは、私にとって貴重な経験でした。

言葉が完璧でなくても、友達になれた

海外の巡礼路ということもあり、「英語やスペイン語が話せないと友達はできないのでは」と不安に思う方もいるかもしれません。

私も最初は少し緊張していましたが、実際には完璧な英語が話せなくても、コミュニケーションに困ることはあまりありませんでした。

文法が多少間違っていても、お互いに伝えようという気持ちがあれば十分に会話が成り立つ雰囲気がありました。

英語を話さない巡礼者も多く、時には翻訳アプリを使いながら会話をし、一緒に食事をしたり、景色を眺めたり、励まし合いながら歩いたりしました。

カミーノでは、「Hello」よりも「Buen Camino!(良い巡礼を!)」と声を掛け合うことの方が圧倒的に多かったです。

道ですれ違う巡礼者や別れる仲間だけでなく、沿道で応援してくれる地元の方からも「Buen Camino!」と声を掛けてもらうことがあり、そのたびにとても励まされました。

歩き終えてカミーノを離れると、あれほど毎日耳にしていた「Buen Camino!」という言葉が聞こえなくなりました。

それが少し寂しく感じられたことも、今では忘れられない思い出の一つです。

毎日どのようなスケジュールで歩いていたのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。

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別れが当たり前、それでもまた会える

カミーノでは、毎日のように別れがあります。

歩く距離が違えば、その日でお別れになることもあります。

「もう会えないかな」と思っていた人と、数日後のアルベルゲや街角で偶然再会することも珍しくありません。

「また会ったね!」

そんな再会を何度も繰り返しながら歩く時間は、とても特別なものでした。

また、ブルゴスやレオンなどの大きな街では休養日を取る人と取らない人がいるため、それまで毎日のように顔を合わせていた巡礼者とも、しばらく会えなくなることがあります。

それでも、サンティアゴ・デ・コンポステーラには数日滞在する巡礼者が多く、久しぶりに仲間たちと再会できたときは本当に嬉しかったです。

サンティアゴ到着後も、フィステーラやムシアへ向かう人は、歩く人もいればバスで向かう人もいます。

そのため、一度別れた巡礼者と再び再会する機会も多くありました。

不思議だったのは、何週間も一緒に歩いた仲間だけではなく、一度しか話していない巡礼者のことも、今でもよく覚えていることです。

短い会話だったとしても、そのとき交わした言葉や出来事が強く印象に残っている人がたくさんいます。

私にとってカミーノは、それくらい「人とのつながり」が大きな旅でした。

別れがあるからこそ、一緒に過ごす時間がより大切に感じられたのだと思います。

サンティアゴ到着後も多くの仲間が向かったフィステーラ・ムシアについては、こちらの記事で紹介しています。

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カミーノを歩いて変わったこと

カミーノを歩く前は、海外の人と話すことに少し緊張していました。

しかし43日間歩き終えた今では、国籍や言葉の違いを以前ほど意識しなくなりました。

文化や考え方が違うのは当たり前。

その違いがあるからこそ、お互いの話を聞くことが面白く、新しい価値観に触れることができました。

カミーノは、ただ目的地を目指して歩く旅ではありません。

世界中から集まった人たちとの出会いを通して、自分自身の考え方まで少し変えてくれる旅でした。

巡礼が終わった今でも、仲間とは連絡を取り合っています。

カミーノ後の旅行では、カミーノで出会ったアメリカ人の友人と19日間モロッコを一緒に旅しました。

また、カミーノ後の旅行中にはポルトガルで再会した友人もいれば、日本を訪れたイタリア人や韓国人の友人と再会する機会もありました。

カミーノは、サンティアゴに到着したら終わりではありません。

そこで生まれた出会いは、帰国後も続き、今では私の人生の大切な財産になっています。

もしカミーノを歩こうか迷っているなら、美しい景色だけでなく、そこで出会う人たちとの時間も、ぜひ楽しみにしてほしいと思います。

あの道で何度も交わした「Buen Camino!」という言葉は、ただの挨拶ではありませんでした。

励ましや応援、そして「またどこかで会おう」という気持ちが込められた、カミーノならではの言葉だったのだと思います。

きっとあなたも、歩き終えた頃には「Buen Camino!」という言葉が特別な意味を持つようになっているはずです。

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