カミーノ・デ・サンティアゴでは、毎日20〜30km以上歩く日が続くため、疲労や環境の変化から体調を崩すことも珍しくありません。
私も2025年9月にフランス人の道を歩いた後、フィステーラ・ムシアの道、ポルトガル人の道(Variante Espiritual)を巡礼する中で、足のまめや風邪、食欲不振、アレルギー症状など、さまざまな体調不良を経験しました。
この記事では、私自身が実際に経験した症状や対処法、巡礼仲間によく見られた体調不良について紹介します。
なお、この記事は私個人の体験談です。症状や原因、適した治療法には個人差があります。
体調に異変を感じた場合や症状が重い場合は、無理をせず医療機関を受診してください。
カミーノへ行く前に準備を進めている方は、まずこちらの記事もご覧ください。
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私が経験した体調不良
フランス人の道、フィステーラ・ムシアの道、ポルトガル人の道(Variante Espiritual)を合わせた43日間の巡礼では、さまざまな体調不良を経験しました。
無事に歩き切ることができましたが、毎日重たい荷物を持って長距離を歩くことの体への負担を実感しました。
足のまめ(フランス人の道 1日目〜約2週間)
私が最初に悩まされたのは足のまめでした。
歩き始めた初日からでき始め、しばらくは毎日のように痛みと付き合うことになりました。
痛みはあったものの、歩けないほどではありませんでしたが、毎回、歩き終わって靴を脱ぐと、まめの水膨れがやや大きくなっていました。
私は足の小指とかかとにまめができました。
ただ、その後、約2週間ほど経つと足の皮膚が徐々に慣れ、それ以降は新しいまめができることはありませんでした。
巡礼では最初の1〜2週間が最も足への負担が大きい時期だと感じます。
違和感を覚えたら早めにテーピングや保護をすることが大切だと思いました。
私が行った対処法
私は水膨れが大きくなったときは、清潔な針で水を抜いて対応していました。
必要以上に触って皮膚を刺激しすぎないようにしました。
また、水を抜いた後は、ハイドロコロイドパッドや絆創膏で傷口を保護していました。
まめができなかった巡礼仲間
私と一緒にフランス人の道とフィステーラ・ムシアの道を歩いた巡礼仲間は、巡礼を通して1回もまめができませんでした。
理由を聞くと、彼女は靴や靴下などの装備選びをかなり丁寧にしていて、試着を何度もして自分に合うものを選んでいました。
足のまめ対策
他の巡礼者と話をしていると必ず話題に挙がるくらい、足のまめは、ほとんどの巡礼者が経験するものだと思います。
私自身や巡礼仲間が実際に行っていた対策をまとめました。
- 足に合う靴を選ぶ(つま先に少し余裕があるもの)
- 靴下を履く前にワセリンを足や指の間に塗る
- 休憩時は靴と靴下を脱いで足を乾かす
まめ対策として、複数枚の靴下を合わせている巡礼者がいましたが、靴の中の隙間があまりなかったため、逆にまめがたくさんできてしまったそうです。
私が実際に持参した装備はこちらの記事で詳しく紹介しています。
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股関節の痛み(フランス人の道 1〜4日目)
歩き始めて数日は、股関節にも痛みがありました。
普段から長距離を歩く生活ではなく、毎日10kg以上のバックパックを背負い、20km以上歩いていたので、身体が慣れていなかったことが原因だったのではないかと思います。
歩けないほどではありませんでしたが、歩き切った後にはしばらく違和感がありました。
幸い4日ほどで痛みは治まり、その後は再発することもありませんでした。
最初の数日~1週間は身体を慣らす期間だと考え、無理をしすぎないことが大切だと感じました。
風邪(フランス人の道 25~32日目頃)
巡礼20日目のレオン(León)で、周囲で風邪が流行し始めました。
アルベルゲでは咳をしている巡礼者が増え、「みんな風邪をひいているね」と話すことも多くなりました。
その後、巡礼25日目に喉の痛みや鼻水、咳などの症状が出始めました。
特につらかったのは夜で、寝ている時に咳が出て、十分に眠れない日もありました。
症状は徐々に悪化し、ドミトリールームで他の人に風邪をうつしたり、咳の音で睡眠を妨害したり、また、自分の体をしっかり休めるためにも個室を探すことを考えました。
山間部のオ・セブレイロ(O Cebreiro)で、偶然、韓国人の巡礼仲間が予約していたツインルームに一緒に泊まらせてもらえることになり、静かな部屋でしっかり休養できました。
しかし、なかなか咳や鼻水が収まらず、完全に回復するまで約1週間はかかりました。
回復までの様子
その間、多くの巡礼者が、自分の持っている薬(解熱剤や咳止め、漢方など)を「これ使う?」と勧めてくれました。
日本から自分の風邪に合う薬を持参していて、薬を服用しながら数日過ごしたところ、少しずつ回復しました。
特に鼻炎がひどくて、スーパーでティッシュペーパーをかなり使いました。
スーパーには携帯用のティッシュがありましたが、少量のものがなく、12~14個セットになったものを購入して使用していました。
多くの巡礼者が共同生活を送るため、風邪などの感染症は広がりやすいのだと実感しました。
風邪で感じたこと
アルベルゲでは共同生活を送るため、風邪などの感染症は広がりやすいのだと実感しました。
手洗いや換気など基本的な感染対策はもちろんですが、体調が悪いと感じたら無理をせず休むことも大切だと思います。
共同生活を送るアルベルゲについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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突然の嘔吐と食欲不振(フィステーラ・ムシアの道 2日目)
フィステーラ・ムシアの道では、2日目を歩き終えてアルベルゲへ到着した直後に突然気分が悪くなりました。
しばらく休んでいましたが、その後吐いてしまいました。
同じタイミングで生理も始まりましたが、普段より経血量が極端に少なく、疲労などによってホルモンバランスが乱れていた可能性もあると感じています。
食欲が戻らなかった
その後もしばらく食欲が戻らず、ムシアへ到着するまで十分な量を食べられませんでした。
フルーツなどの食欲がなくても食べられそうなものがなかなか見つからず、かなり体力が削られました。
フィステーラ・ムシアの道はフランス人の道と比べると高低差はあまりありませんでしたが、それでも10kgを超えるバックパックを背負って、十分な食事ができていない状態で歩くのは大変でした。
巡礼仲間に助けられた
フィステーラへ向かう道中、一緒に歩いていた台湾人とアメリカ人の巡礼仲間が私の荷物の一部を預かってくれて、バックパックの荷物を軽くしてくれました。
2人が荷物を持って助けてくれなければ、フィステーラまで歩き切ることは難しかったと感じています。本当に感謝しています。
フィステーラからムシアへは距離が28kmほどあるため、荷物の送迎サービスを利用しました。
このとき初めて、毎日長距離を歩き続けることは、自分が思っていた以上に体に負担がかかっていて、気付かないうちに疲労が蓄積していたんだと実感しました。
巡礼中の食事についてはこちらで詳しく紹介しています。
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アレルギー症状(ポルトガル人の道 Variante Espiritual 1~2日目)
一番驚いたのが、突然アレルギーのような症状が出たことでした。
正確には、フィステーラ・ムシアの道を歩き終えた後にサンティアゴ・デ・コンポステーラでの3日間の休養中から症状が現れました。
最初は南京虫だと思った
始まりは、手足の小さな蕁麻疹でした。
最初は南京虫に刺されたのではないかと思い、薬局を2軒回って相談したところ、どちらでも「南京虫ではなく、アレルギー反応による蕁麻疹です」と言われました。
症状が悪化
あまり深刻に考えずに、ポルトガル人の道(Variante Espiritual)を歩き始めたところ、1日目に手足の蕁麻疹、2日目にはさらにまぶたも腫れ、喉にもかゆみがありました。
日に日に症状が悪化して、これは適切に対処しなければと感じました。
原因を探した
原因はわかりませんでしたが、思い当たるものを一つずつ見直してみることにしました。
その中で、オーツ麦が入った製品(オーツミルクやシリアルバー)の摂取を控えて様子を見ることにしました。
ただし、その後の検査ではオーツ麦アレルギーは確認されず、原因は特定できませんでした。
また、巡礼仲間に相談すると抗ヒスタミン剤(アレルギー症状を抑える薬)を譲ってくれました。服用すると徐々に症状は落ち着きました。
その後、再発することも考えて、自分でも薬局に行って抗ヒスタミン剤を購入しました。
帰国後の検査
帰国後に念のためにアレルギー検査を受けましたが、オーツ麦に対する反応はありませんでした。
そのため、原因は断定できませんが、長期間の疲労や体調不良(風邪や嘔吐)なども影響していた可能性があるのではないかと感じています。
もともとアレルギーといったら花粉症くらいで、食物アレルギーはまったくなかったので、突然の体調不良にとても驚きました。
巡礼仲間によく見られた体調不良
私自身が経験した以外にも、巡礼仲間ではさまざまな体調不良が見られました。
特によく耳にしたのは次のような症状です。
- 足首や膝などの痛み・けが
- 風邪
- 南京虫による咬傷
- 生理不順
特に多かったのは足首・膝の痛みと風邪です。
毎日歩き続けるため、炎症が悪化して途中で巡礼を中断する人もいました。
実際、私の巡礼仲間の一人も膝の痛みのため、レオンで巡礼を中断し、帰国することになりました。
また、女性の巡礼者からは、生理が遅れたり止まったりしたという話も何度か聞きました。
毎日歩き続ける巡礼だからこそ、身体への負担は思っている以上に大きいのだと感じました。
多くはありませんでしたが、体調不良やけがが原因で巡礼を途中で断念する人もいました。
南京虫(ベッドバグ)による咬傷
私自身は南京虫の被害には遭いませんでしたが、巡礼仲間では南京虫に刺されたという人を見かけました。
腕や足、背中などに赤い発疹ができ、強いかゆみに悩まされている人もいました。
私も蕁麻疹が出たときは最初に「南京虫かもしれない」と思いましたが、薬局を2軒回って相談したところ、どちらでもアレルギー反応と言われました。
その経験からも、見た目だけで南京虫かどうかを判断するのは難しいと感じました。
私が行っていた南京虫対策
被害を防ぐために、私は毎日次のようなことを心掛けていました。
- アルベルゲではマットレスやベッド周辺を簡単に確認する
- 寝袋を使用し、アルベルゲのブランケットは使用しない
- Google Mapsのレビュー(特に過去1か月以内)で南京虫の情報を確認する
これらをしていても完全に防げるとは限りませんが、できる範囲で対策しておくと安心だと思います。
アルベルゲでの設備や過ごし方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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スペインの薬局を利用した感想
巡礼中にはスペインの薬局も利用しました。
薬局は町ごとに比較的見つけやすく、困ったときに相談できる存在でした。
薬局では英語があまり通じない場面もありましたが、翻訳アプリを使ったり、症状を身振りで伝えたりすることで問題なく薬を購入できました。
また、蕁麻疹が出た際は、2軒の薬局を訪問して薬剤師さんに南京虫による咬傷か別の原因があるか尋ねました。
薬剤師の方も親身に対応してくれたのが印象に残っています。
私が実際に薬局で購入したのは、抗ヒスタミン剤と日焼け止めです。
日焼け止め(ISDIN:Eryfotona AK-NMSC Fluid SPF100+)
フランス人の道でレオン(León)を過ぎたあたりで、日焼け止めを使っていたものの日焼けがかなり気になってきていました。
その日一緒に歩いたドイツ人の巡礼者から、「ISDINがおすすめだよ」と教えてもらいました。

商品の写真を薬局で見せましたが、在庫がなかったのか、実際には「ISDIN Eryfotona AK-NMSC Fluid SPF100+」という別の商品を購入しました。


使用感はとても良く、それまで使っていた日焼け止めより日焼けを防げていると感じました。
日焼け止めによる肌荒れなどもなく、いい製品を見つけられたと思いました。
日本では、オンラインでもほとんど販売されていないのが残念です。
2025年10月時点での購入価格は約29ユーロでした。
抗ヒスタミン剤(アレルギー症状を抑える薬)
これはアレルギー反応で蕁麻疹や瞼の腫れなどが発生した際、再発に備えて購入しました。
いままで抗ヒスタミン剤を購入した経験がなかったので、相場がわかりませんが、6.1ユーロと想像していたよりも高くなかったです。

日本から持って行って役立った常備薬
私は風邪薬を持参していたため、現地で慣れない薬を探さずに済みました。
長期間の巡礼では、普段使い慣れている薬を日本から持参しておくと安心だと思います。
- 風邪薬(鼻炎薬など)
- 解熱鎮痛剤
- 下痢止め
- 軟膏(肩こり・筋肉痛用など)
- 絆創膏
- ハイドロコロイドパッド
- のど飴
ハイドロコロイドパッドは、足のまめの水を抜いた後の傷口を保護するために使用していました。
巡礼中は何度も使ったので、持参してよかったものの一つです。

私が特に役立ったと感じたのは、ハイドロコロイドパッドと風邪薬です。
下痢止めは使用する機会はありませんでしたが、長距離を歩き、トイレ休憩がいつとれるかわからなかったので、安心のために持っていました。
実際に持参した荷物はこちらの記事にまとめています。
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体調不良を防ぐために私が大切だと感じたこと
今回の巡礼では、さまざまな体調不良を経験しましたが、振り返ってみると共通して感じたことがあります。
長期間の巡礼では「少し無理をしても歩ける」という日が続きます。
しかし、その積み重ねが後から大きな体調不良につながることもあります。私が特に大切だと感じたことをまとめました。
- 無理をしない
「今日は歩けそう」と思っても、疲労は少しずつ蓄積します。調子が悪い日は距離を短くしたり、休養日を設けたりすることも大切です。 - 食べられるときにしっかり食べる
食欲があるうちにエネルギーを補給しておくことが、その後の体調維持につながると感じました。 - 普段飲み慣れた薬を持って行く
現地でも薬は購入できますが、体調が悪いときに薬を探すのは想像以上に大変です。使い慣れた薬があるだけで安心感がありました。 - 休む勇気を持つ
予定どおり歩くことよりも、1日休んで体調を整える方が結果的に最後まで歩けることもあります。
体調不良の中で感じた、巡礼者同士の助け合い
今回の巡礼では、振り返ると体調不良が続いた時期もあり、決して楽な旅ではありませんでした。
それでも、不思議と「つらかった」という思い出よりも、楽しかった思い出の方が圧倒的に多く残っています。
誰かが体調を崩せば周りの巡礼者が自然に声をかけて助け、自分が体調を崩したときには、薬を分けてもらったり、荷物を持ってもらったり、休める場所を一緒に探してもらったりと、多くの人に支えられました。
私も体調の悪い巡礼仲間がいれば声をかけたり、できる範囲で助けたりしていました。
お互いに助け合いながら歩いた時間は、カミーノだからこそ経験できた、とても印象深い出来事だったと感じています。
まとめ
今回の巡礼では、足のまめや関節の痛み、風邪、食欲不振、アレルギーのような症状など、さまざまな体調不良を経験しました。
その都度、十分な休養を取ったり、薬局で相談したり、必要に応じて宿泊先を変更したりしながら、無事に歩き切ることができました。
カミーノを歩き終えた後は約2か月かけてポルトガル・スペイン・モロッコを旅行しましたが、その間はほとんど体調を崩すことはありませんでした。
この経験を通して、毎日20〜30km以上歩き続けるカミーノは、自分が思っていた以上に体への負担が大きい旅だと改めて実感しました。
これから巡礼に挑戦する方は、日本から普段使い慣れた薬を持参しておくことをおすすめします。私自身も風邪薬やハイドロコロイドパッドを持参していて助かりました。
また、スペインの薬局でも必要な薬を購入でき、症状について相談することもできたため、薬が足りなくなった場合でも過度に心配する必要はないと感じています。
巡礼中は「少しくらいなら歩ける」と無理をしてしまいがちですが、予定どおり歩くことよりも、自分の体調を優先することが何より大切です。
必要に応じて休養を取り、薬局や医療機関も上手に利用しながら、自分のペースで安全に巡礼を続けてもらえたらと思います。
私の体験が、これからカミーノ・デ・サンティアゴを歩く方の体調管理や準備の参考になり、安心して巡礼に挑戦するための一助になればうれしいです。
カミーノを歩く前に知っておきたい情報は、こちらのまとめ記事にも掲載しています。
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