カミーノ フランス人の道 3日目|スビリからパンプローナへ|初めての寄付制アルベルゲ

スペイン

2025年9月、カミーノ・デ・サンティアゴ「フランス人の道」巡礼3日目。

この日はスビリ(Zubiri)からナバラ州の州都・パンプローナ(Pamplona)まで約20kmを歩きました。

緑の多い道を進み、途中では寄付制(ドナティーボ)の休憩所やバルでひと休み。

そして、パンプローナでは初めて寄付制アルベルゲに宿泊し、コミュニティディナーや宿泊者限定のミサにも参加しました。

この記事では、カミーノならではの温かさをたくさん感じた一日をご紹介します。

前日にロンセスバージェスからスビリまで歩いた様子は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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巡礼3日目のルート

項目内容
出発地スビリ(Zubiri)
到着地パンプローナ(Pamplona)
距離約20.4km
※カミーノアプリ「Camino Ninja」より
歩行時間約6時間半(休憩含む)
難易度★★☆☆☆
天候曇り時々小雨

ウォーキングアプリの記録です。

休憩時間を含むため、実際の歩行時間とは多少の誤差があります。

アルベルゲの朝食を食べて出発

朝6時30分から、アルベルゲで朝食をいただきました。

朝食は宿泊費に含まれており、パンや飲み物などシンプルな内容でしたが、歩き始める前には十分でした。

この日は、カミーノ1日目に一緒に歩いたカナダ人男性と一緒に出発しました。

前日ほどの疲れはありませんでしたが、股関節の痛みと足にできたまめはまだ残っていました。

一方で筋肉痛はほとんどなく、思っていたよりも体は動いてくれたので安心したことを覚えています。

私が実際に体調を崩した経験や対策については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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緑と川沿いの気持ちいい道を歩く

この日も大きな上りは少なく、比較的歩きやすいコースでした。

川沿いを歩いたり、木々の緑も豊かで、とても気持ちの良い景色が続きます。

前日のピレネー越えとはまったく違う雰囲気で、自然を楽しみながらゆっくり歩くことができました。

途中には寄付制(ドナティーボ)の休憩所があり、コーヒーとビスケットをいただきました。

日本のお遍路で見られる「お接待」のような文化だなと思いました。

巡礼者を応援したいという気持ちで飲み物や食べ物を提供する温かい雰囲気があり、カミーノらしい優しさを感じました。

バルで休憩

午前9時40分頃、「La Parada de Zuriain」というバルで休憩しました。

店内にはボカディージョやトルティージャなどが並んでいましたが、私はほうれん草のトルティージャとコーヒーを注文しました。

料金は4.5ユーロでした。

カミーノ全体で、トルティージャを数えきれないくらい食べましたが、具はジャガイモや玉ねぎが多かったです。

ほうれん草のトルティージャはほとんど見かけませんでした。

バックパックを降ろしてゆっくり食べるトルティージャは格別のおいしさでした。

休憩していると、アルベルゲで一緒だった日本人女性も追いつき、3人でしばらく休憩しました。

さらに途中では、前日にアルベルゲのベッドを譲ってくれたポルトガル人男性にも再会。

改めてベッドを譲ってくれたお礼を伝え、前日に宿泊したアルベルゲはどうだったかなどを話し、しばらく一緒に歩きました。

歩くペースは人それぞれですが、同じ巡礼者と何度も再会するのもカミーノの魅力です。

少しずつ知っている人が増え、「また会えたね」と声を掛け合えるようになり、カミーノらしさを感じ始めました。

パンプローナに到着

パンプローナが近づく頃、小雨が降り始めました。

ポンチョを着ましたが、本降りにはならず、しばらくすると雨は止みました。

パンプローナへは城壁に囲まれた街へ続く門をくぐって入ります。

歴史ある街へ足を踏み入れる瞬間は、とても雰囲気があり、「いよいよ大きな街に着いた」という気持ちになりました。

カミーノを歩き始めてから初めて訪れる大きな街ということもあり、街歩きへの期待も高まりました。

初めての寄付制アルベルゲ

パンプローナへ向かう途中、初日に一緒に歩いたエマ(フランス人)からWhatsAppでメッセージが届きました。

「私は寄付制のアルベルゲに泊まるよ」と教えてくれたので、私もそこへ向かうことにしました。

アルベルゲの種類や利用方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。

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アルベルゲ「ALBERGUE FOR PILGRIMS, BETANIA」には14時前に到着。

ちょうどエマと、ほかのフランス人巡礼者3人がフランス語で受付の説明を受けているところでした。

満員になる前に到着できたので、無事ベッドを確保することができました。

私が到着した時には、ドイツ人のルーカス(仮名・40代男性)も受付で順番を待っていました。

受付を担当していたのは、ドイツ人のオスピタレロ(アルベルゲで巡礼者を迎えるボランティアスタッフ)です。

「よかったら英語で一緒に説明を受ける?」と声をかけてくれ、私とルーカスの2人で英語による説明を受けました。

説明を待つ間に少し話をすると、ルーカスは、家族と一緒にさまざまな国を旅しながら生活していると話してくれました。

日本にも興味があり、「日本語を勉強したいんだけど、どうやって勉強するのがおすすめ?」と質問されました。

このときはまだ少し言葉を交わしただけでしたが、翌日また同じアルベルゲで再会したことをきっかけに、ルーカスとは一緒に歩くようになります。

また、アルベルゲには日本人女性も宿泊していて、「日本人がいるよ」とスタッフが紹介してくれて、隣のベッドに案内してくれました。

このアルベルゲには洗濯機や手洗い用のシンクはありませんでした。

その代わり、指定の洗濯ネットに入る量であれば、1.9ユーロで洗濯から乾燥までしてもらえるサービスがありました。

洗濯を終えると、洗濯ネットに入れた状態で机の上に置いてくれます。

カミーノ1日目と2日目は手洗いだったので、洗濯機・乾燥機を使えて少し休むことができました。

カミーノでの洗濯事情については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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シャワーを浴びて少し休憩した後は、パンプローナの街へ出かけました。

パンプローナの街を散策

午後はパンプローナの旧市街を歩きました。

石畳の街並みや歴史ある建物が並び、歩いているだけでも楽しい街です。

まず訪れたのは、毎年7月に開催される牛追い祭り(サン・フェルミン祭)で牛追いがスタートすることで知られるパンプローナ市庁舎です。

毎年、祭りの開始を告げる合図もこの市庁舎から行われます。

パンプローナ市庁舎

その後は、街の中心にあるカスティージョ広場へ向かいました。

広場の周囲にはカフェやレストランが立ち並び、多くの人が思い思いに過ごしていて、とても開放的な雰囲気でした。

巡礼中は自然の中を歩く時間がほとんどなので、活気のある街の空気を感じられたのも新鮮でした。

さらに、牛追い祭りの迫力を表現した「牛追いのモニュメント(Monumento al Encierro)」も見学しました。

人と牛が今にも走り出しそうな躍動感あふれるブロンズ像は迫力満点で、パンプローナを代表するフォトスポットの一つです。

最後に立ち寄ったLiberty Square(Plaza de la Libertad)は、ベンチや緑があり、地元の人もくつろぐ落ち着いた広場でした。

街歩きの途中にひと休みするのにもぴったりの場所です。

カミーノを歩き始めてから初めて訪れた大きな街ということもあり、街歩きそのものがとても楽しく、歩いているだけでもわくわくしました。

パンプローナ大聖堂を見学

パンプローナ大聖堂にも入りました。

ここでは、大聖堂だけでなく博物館も見学しました。

入場料は3ユーロでした。

内部はとても静かで厳かな雰囲気があり、巡礼の途中で立ち寄る場所としてぴったりだと感じました。

身廊の中央には、ナバラ王カルロス3世と王妃レオノールの壮麗な墓碑が置かれていました。

白いアラバスターで造られた墓碑は非常に繊細な彫刻が施されており、大聖堂の中でもひときわ存在感を放っていました。

博物館では、大聖堂の歴史や宗教美術などを見学することができます。

また、回廊(クロイスター)がとても美しく、ゆっくり歩いているだけでも落ち着いた気持ちになりました。

カミーノでは自然の中を歩く時間が長いため、このような歴史ある建築や芸術に触れる時間は、とても良い気分転換になりました。

初めてのコミュニティディナー

夜20時からは、アルベルゲでコミュニティディナーが開かれました。

参加は自由でしたが、この日は宿泊者全員が参加していました。

実は、この時間がこの日一番緊張していたかもしれません。

私はもともと大人数で話すことがあまり得意ではありません。さらに英語での会話にも不安がありました。

宿泊者はフランス人、オーストラリア人、ドイツ人、ポーランド人、イギリス人などさまざまな国の巡礼者。

英語だけでなく、フランス語などいろいろな言葉が飛び交い、とてもにぎやかな雰囲気でした。

最初は少し戸惑いましたが、同じ巡礼者という共通点があるからか、自然と会話が生まれ、少しずつ緊張もほぐれていきました。

私の隣にはフランス人の男性が座っていました。

英語はほとんど話せませんでしたが、身振り手振りや周りの人の通訳も交えながら話を聞くことができました。

その男性は息子さんと2人でカミーノを歩いていました。

もともとは一人で出発する予定だったそうですが、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーに着くと、すでにフランス人の道を歩いたことがある息子さんがサプライズで待っていたそうです。

「お父さんと一緒に歩きたい」という思いから内緒で来たと聞き、親子で巡礼する姿がとてもすてきだと感じました。

同じテーブルを囲み、一緒に食事をする時間はとても温かく感じました。

この日の夕食は、サラダ、豆のスープ(ベジタリアン用もあり)、パン、ワイン。

デザートには、ドイツ人のオスピタレロが手作りしたリンゴのケーキが振る舞われました。

どれも素朴でおいしく、みんなで食べるからこそ、より特別な食事になったように思います。

食事の最後には、このアルベルゲで受け継がれている伝統行事が行われました。

コミュニティディナーにはオスピタレロだけでなく神父さんも同席しており、巡礼者から神父さんへ感謝の気持ちを込めてプレゼントを渡します。

プレゼントのクッキーは事前にオスピタレロが用意していて、そのクッキーを巡礼者の代表として日本人女性が神父さんへ手渡しました。

演出としてはシンプルなものでしたが、巡礼者みんなで神父さんへ感謝を伝えるという温かな雰囲気が心に残りました。

カミーノでの食事については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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宿泊者だけが参加できる特別なミサ

夕食の後は、アルベルゲに併設された教会で、宿泊者だけが参加できる特別なミサが行われました。

アルベルゲの建物の1階から教会へ直接つながる専用のドアがあり、そこから静かに教会へ入ります。

ミサが始まると、先ほどまでのにぎやかな雰囲気とは一変し、厳かな空気に包まれました。

この時間は写真を撮ることなく、その場の雰囲気を静かに感じながら過ごしました。

巡礼者だけが参加できる特別な時間ということもあり、言葉は十分に理解できなくても、その場の厳かな雰囲気や巡礼者同士の一体感が伝わってきて、とても印象深い体験でした。

前後の記事

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まとめ|寄付制アルベルゲだからこそ味わえた特別な一日

パンプローナは、カミーノで初めて訪れた大きな街でした。

街歩きも楽しかったですが、それ以上に印象に残っているのは、初めて宿泊した寄付制アルベルゲで過ごした時間です。

コミュニティディナーでは世界中の巡礼者と食卓を囲み、宿泊者限定のミサでは静かで厳かな時間を過ごしました。

英語での会話に緊張したり、大勢の中に入ることに不安を感じたりもしましたが、それも含めてカミーノらしい体験だったと思います。

パンプローナで過ごした寄付制アルベルゲでの時間があまりにも印象的で、その後の巡礼でも何度か寄付制アルベルゲを選んで宿泊しました。

巡礼を始めてまだ3日目でしたが、「この旅に来てよかった」と改めて感じた一日でした。

この寄付制アルベルゲでの体験は、その後の巡礼でも何度も思い出す、忘れられない思い出の一つになっています。

カミーノの魅力は歩くだけではなく、人との出会いや支え合いにもあることを実感した一日でした。

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